NetVault Plug-in for SQL Server 12.0 - ユーザー・ガイド

データのリストア

データのリストア：概要

リストアとは、バックアップからデータをコピーし、トランザクション・ログをデータに適用して、目的とするリカバリ時点の状態にロール・フォワードするプロセスです。バックアップには、各バックアップのリストア中にアクティブなトランザクションをロール・フォワードするために十分なトランザクション・ログの記録が保持されます。また、各バックアップには、コミットされていないトランザクションをロールバックし、データベースを整合性のある、使用可能な状態にするために十分なトランザクション・ログも保持されます。コミットされていないトランザクションをロールバックし、データベースをオンラインにするプロセスはリカバリと呼ばれます。

メモ： SQL Serverデータベースのセキュリティ管理者またはDBAが、1件以上のSQL Serverデータベースに対して透過データ暗号化（TDE）を有効にした場合、TDE有効のデータベースをリストアする前に、SQL Serverデータベースのセキュリティ管理者またはDBAは、SQL Serverターゲット・インスタンスで必要なTDE証明書をリストアする必要があります。

このトピックには、以下のサブトピックが含まれています。

VDIリストア・シーケンス手順の確認

SQL Serverの各リストア・シナリオは、リストア・シーケンスと呼ばれる1つ以上のリストア・オペレーションを使用して実装します。リストア・シーケンスでは、1つ以上のリストア手順でデータを移動します。リストア手順には、データ・コピー、再実行（ロール・フォワード）、および元に戻す（ロールバック）手順があります。これらの手順について以下のトピックで説明します。

リストア・プロセスの最初の手順はデータ・コピー手順です。データ・コピー手順では、すべてのデータ、ログ、およびインデックス・ページをバックアップ・メディアからデータベース・ファイルにコピーします。このとき、以下の1つ以上のバックアップ・タイプからデータをコピーします。

再実行とは、ログに記録された変更をロールフォワード・セットのデータに再適用して、データを特定時点の状態に進めるプロセスです。SQL Serverデータベース・エンジンは、トランザクション・ログのバックアップのリストア時に、このトランザクション・ログのバックアップを処理して再実行を行います。SQL Serverデータベース・エンジンは、上記のトピックのデータ・コピー・バックアップに含まれるログおよび、後でリストアされる増分トランザクション・ログのバックアップから開始します。ロール・フォワードは、リカバリ時点、つまり、ログの最後か、SQL Serverのリストア・オプションで増分トランザクション・ログのバックアップに対して指定された特定時点で停止します。 Plug‑in for SQL Server は、時間およびマーク付きトランザクションに基づくPITリカバリをサポートしています。

再実行手順によってログのすべてのトランザクションをロール・フォワードすると、通常、リカバリ時点ではコミットされていないトランザクションによって行われた変更がデータベースに含まれます。これにより、ロール・フォワードされたデータのトランザクションに不整合が生じます。リカバリ・プロセスでは、トランザクション・ログを開き、コミットされていないトランザクションを特定してロールバックし、データベースをトランザクションの整合性が保たれた状態にします。これを、元に戻す手順と呼びます。

リカバリ・プロセスの開始時にデータのトランザクションの整合性が保たれている場合、元に戻す手順はスキップされます。

データベースでトランザクションの整合性が確保されると、リカバリによってデータベースがオンラインになります。

使用可能なオンラインVDIリストアのタイプについて

リストアを正しく実行するには、使用可能なリストアのタイプについて十分に理解しておく必要があります。このトピックでは、各復旧モデルでサポートされるリストア・シナリオについて説明します。

以下のリストア・シナリオは、単純復旧モデルでサポートされます。

以下のリストア・シナリオは、完全および一括ログ復旧モデルでサポートされます。