この記事では Windows 10 を例として、SDAでのイメージング作業(イメージの作成・展開)における利用可能なオプションと注意事項について説明します。
適切なADK PE Add-On とKACEメディアマネージャを組み合わせて作成したKACEブート環境(KBE)。
Download and install the Windows ADK (microsoft.com)
Windows10: WADK(2004) + 同 PE Add-On
Windows11: WADK(22h2) + 同 PE Add-On
KBEの作成手順は次のリンクを参照 KBEへのdriverの組み込み手順 (4257142)
Volume License メディア由来のOSイメージを使用することを強く推奨します。ボリュームライセンスではないメディア(OEM等)は Microsoft のライセンスに違反する可能性があります。 詳細についてはナレッジベース記事 4300909 をお読みください。
Volume LicenseのWindowsインストールメディアがソースメディアとしてSDAにアップロードされていること。
SDAへのソースメディアの取り込み手順はこちらの記事 をご参照ください。
重要: TPM,SecureBoot等Windows 11のセットアップに必要な要件をKBEを起動する前までにBIOS設定などデバイス側で満たしておくようにしてください。
Windows 11 のシステム要件 (support.microsoft.com)重要: KACEでは Windows 11に対してレガシーBIOSモードでの配布作業や32 Bit KBE環境での使用はありません。KBEは64Bitのみサポートされます。
Windows 10までの64 BitのOSについてはレガシーBIOS/UEFIいずれのモードでも使用できます(ファームウェア依存)。64 Bit KBEを使用してください。
Windows 10までの32 BitのOSの配布では必ずレガシーBIOSモードかつ32 Bit KBEを使用する必要があります。(UEFIモード+32 Bit KBE/32 Bit OSはサポートしない)
スクリプト形式のインストール機能あるいはメディアを使用した手動のインストール作業にて、シングルパーティションとしてOSがインストールされるようにします(ただしUEFIモードではEFIシステムパーティションは必須)。スクリプト形式のインストールでは組み込みのタスクでシングルパーティションを構成できます。
■ プレインストールタスクを使用する(スクリプト形式のインストール)場合
現行: v6.1以上)
"[ディスク] BIOS/UEFI パーティションの作成"
LegacyBIOS 32bitデバイスへの展開には 以前のバージョンと同じ "シングルパーティションの作成" と "C:をNTFSとしてフォーマット" を使用してください。
v6.0まで)
Windows OSのスクリプト形式のインストールの作業について管理者ガイド および ナレッジベース記事 スクリプトインストールの構成例(4252594) をご参照ください。
■ 手動でパーティション構成する(スクリプト形式のインストールを使用しない)場合
メディアから手動でOSインストールを行う場合にはシングルパーティションとなるように事前にパーティションを作成します。 Windowsセットアップではインンストール画面ではインストールする場所を選択する画面の前に Shift+F10 を押してコマンドプロンプトを起動することができます。
ここで diskpart.exe を起動して以下のコマンドを実行します。
UEFI用
select disk 0
clean
convert gpt
create partition efi size=400
assign letter=s
format quick fs=FAT32
create partition msr size=128
create partition primary
assign letter=c
format quick fs=NTFS
exit
但し、Windows 11セットアップでエラー0x80300024にてインストールが失敗する場合、 KB4284901 を参考にMSRパーティションの作成(create partition msr size=128
)をスキップして進めます。
レガシーBIOS用
select disk 0
create partiton primary
exit
イメージのベースとなるOSがインストールされた後で、アプリケーションのインストールや更新の適用、希望する設定などをシステムに対して行い、Sysprep出来る状態にします。
2. Sysprep の作業
必要なアプリケーションのインストールや構成の実施が完了したら、次は応答ファイルを用意します。
(SDA v8.1以上では) Sysprep無人ファイル作成ウィザードは管理者画面に内蔵されており(ライブラリ | Sysprep無人ファイル)、一連入力後にファイル(unattend.xmlとSysprep Executor (v9.1からは KACE Image Prepと名称変更) )をダウンロードできるようになっています。
ライブラリ | Sysprep無人ファイル へ移動して アクションを選択: Sysprep作成ウィザードを選択し、このアイテムの設定名を入力し、システム情報(OS、アーキテクチャ)を選択して次へ進みます。例 Windows 10" や x86,x64 等
次に必要に応じて設定する項目を埋めていきます。
登録データ: 所有者, 組織 (Registration Data - Name, Organization)
一般設定: タイムゾーン,場所, 一次言語, フォールバック言語 (General Settings - Time Zone, Location, Primary Language, Fallback Language)
Local Administratorアカウント: ユーザー名,パスワード,ビルトインAdministratorアカウントを有効にする,自動ログインの回数 ( Local Administrator Account - Username, Password, Number of times to auto-login, Enable the built-in Administrator Account)
アウトオブボックスエクスペリエンス
メモ: OOBEのワイヤレス設定を非表示にする([HideWirelessSetupInOOBE]要素)にチェックを入れておくと起動後の無線LANウィザードのセットアップを抑制できます。Laptopマシンの展開後のポストインストールタスクが止まらずに進めます。
Windows設定: Microsoft Udpates (Windows Settings - Microsoft Updates, Copy profile of the user running sysprep, Disable User Account Control (UAC))
Windowsのライセンス認証
その他の設定フェーズで 保存ボタンをクリックしてSysprep 無人ファイルの作成を完了します。 必要に応じて無人応答ファイルの内容を参照したりxml,kimageprep両方を含むZipをダウンロードします。
メモ
生成されたファイルをキャプチャ対象のシステムにファイルをコピーして解凍します。
Sysprep Executor(KImagePrepユーティリティ)がある場合にはダブルクリックして事前チェックの結果を確認してSysprepを実行できます。
Sysprep Executorがない場合 /unattend: を引数に加えてsysprepを実行してください。
例 sysprep.exe /generalize /oobe /quit /unattend:C:\temp\unattend.xml
完了したら使用したxmlファイルをそのマシン上で削除して自分でマシンをシャットダウンする必要があります。
メモ
KBEメニューから イメージ作成 | このマシンのイメージをキャプチャ を選択します。
キャプチャイメージにつけるイメージ名を入力します。
キャプチャするボリュームを選択します。
現行: v6.1以上)
UEFI/BIOSにかかわらず Cのみ選択
v6.0まで)
UEFIの場合:
Cドライブと S ドライブ を選択します(選択して反転)
レガシーBIOS場合:
Cドライブ
イメージ形式を K-Image あるいは Windows Imaging Format (高速圧縮) いずれかラジオボタンで選択します。
両者の違いは ナレッジベース記事 システムイメージのK-Image形式とWIM形式の違いについて (4320465) に説明があります。一般に多数のPCに配るイメージではWIFをお勧めします。
オプション: [チェックボックス] エラー発生時に操作を続行
(選択しない)
オプション: [チェックボックス] ログにデバッグ出力を含める
(遅くなるため通常はトラブルシューティング目的のみ)
キャプチャの開始 を押すとイメージのキャプチャが開始します。
SDA管理者インターフェースにログインして、 展開 | システムイメージ へ移動します。
キャプチャしたイメージの名前をクリックして詳細を開きます。
プレインストールタスクの欄の下に次のビルトインタスクをドラッグします。
[ディスク] BIOS/UEFIパーティションのタスクは実行時にレガシーBIOSかUEFIモードかを判別して動作します。またブート管理情報も構成します。
現行: v6.1以上)
"[ディスク] BIOS/UEFI パーティションの作成"
LegacyBIOS 32-bitへの展開については 以前のバージョンと同じタスクを使用してください。
v6.0まで)
中レベルタスクの欄の下に次のビルトインタスクをドラッグします。
現行:v6.1以上)
"[ディスク] BIOS/UEFI パーティションの適用"
LegacyBIOS 32-bitへの展開については 以前のバージョンと同じタスクを使用してください。
6.0まで)
ほかに必要なタスクがあれば 割り当て済のタスクの動作を阻害しないように配置します。
OS起動後に実行したいタスクがあればポストインストールタスク欄の下にドラッグします。
"ドライバフィードを使用する(Sysprepベースのイメージでのみ) " にチェックをいれて有効にします。
イメージを展開する前に その機種向けのドライバーをドライバーフィードに追加しておくことで展開中~OS起動前にドライバーを注入することができます。ドライバー用意されていなくても展開そのものには影響しません(OS起動が失敗したり、解像度が小さい・ネットワークがつながらない等の影響は発生することがあります)。
手順については以下のナレッジベースを参照してください。
保存 を押してイメージを保存します。
次の手順にしたがってイメージを展開します。
配布対象のデバイスをPXE Boot(ネットワークブート)してSDAブート環境を起動します。
ブート環境のメニューから イメージ作成 | このマシンにイメージを展開 を選択します。
ドロップダウンメニューから展開するイメージを選択します。
オプション [チェックボックス] 展開後に自動的に再起動 にチェックを入れます。
展開の開始 をクリックするとイメージが展開されます。