NetVault Plug-in for FileSystem 12.1 - ユーザー・ガイド

システム状態のリストアについて

システム状態のリストアにより、Windowsを再インストールすることなく、正常に機能するシステムを復元することができます。 これは、以下の事項を実施する場合に役立ちます。

一般的にシステム状態のリストア時には、すべてのコンポーネントが元の場所にリストアされます。 NetVault Backup Plug‑in for FileSystemでは、稼働中のシステムに影響を与えずに、別のディレクトリにシステム状態データをリストアすることもできます。 システム・リカバリ以外の目的でシステム状態をリストアすることはお勧めできません。

ドメイン・コントローラにシステム状態データをリストアする場合は、Active DirectoryやSYSVOLなどの分散サービスのリストア方法を選択する必要があります。 リストア方法によって、リストアしたデータが他のサーバーに複製されるかどうかが決まります。 どのリストア方法を選択するかは、ご使用の環境でのドメイン・コントローラの数と構成によって異なります。

システム状態リストアの検討事項

システム状態バックアップを第2のシステムにリストアする場合は、以下の事項を考慮する必要があります。

Active Directoryのリストア方法

Microsoftは、ドメイン・コントローラにActive Directoryをリストアするために、以下の方法をサポートしています。

メモ： NetVault Backup Plug‑in for FileSystemは、Active Directoryについて権限のないリストアのみをサポートしています。

NetVault Backup Plug‑in for FileSystemは、権限のないリストアのみをサポートしています。 プラグインを使ってActive Directoryをリストアする場合、オブジェクトには元の更新シーケンス番号を使ってリストアされます。 Active Directoryレプリケーション・システムはこの番号を使って、各サーバー間でActive Directoryの変更を検出、反映しています。 権限のないリストアのデータは古いデータとみなされるため、他のサーバーには複製されません。 これらのリストアされたデータは、Active Directoryレプリケーション・システムによって他のサーバーにあるより新しいデータで更新されます。

Active Directoryデータの権限のあるリストアを実行するには、システム状態データをリストアした後、サーバーを再起動する前に、「ntdsutil」ユーティリティを実行する必要があります。 ntdsutilユーティリティを利用すれば、Active Directoryオブジェクトの権限のあるリストアを実施することができます。 このユーティリティを実行すると更新シーケンス番号が変更され、Active Directoryレプリケーション・システム内の他の更新シーケンス番号よりも高くなります。 この変更により、リストアした複製/分散データが、すべてのサーバーに適切に複製/分散されます。 ntdsutilの使用方法についての詳細は、該当するMicrosoftのドキュメントを参照してください。

SYSVOLディレクトリのリストア方法

SYSVOL（システム・ボリューム）は、ドメイン内の各ドメイン・コントローラに存在する、ファイル・システム内のフォルダや再解析ポイントの集合体です。 SYSVOLは、グループ・ポリシー・オブジェクト（GPO）やスクリプトの重要な要素がファイル・レプリケーション・サービス（FRS）によってドメイン内の他のドメイン・コントローラに適切に配布されるように、それらの要素の標準的な保管場所を提供します。 FRSはSYSVOLを監視しており、SYSVOLに保管されているファイルが変更されると、ドメイン内の他のドメイン・コントローラのSYSVOLフォルダに、変更されたファイルを自動的に複製します。

NetVault Backup Plug‑in for FileSystemは、SYSVOLディレクトリについて以下のリストア方法をサポートしています。