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NetVault Plug-in for Exchange 12.0 - ユーザー・ガイド

NetVault Backup Plug-in for Exchange- はじめに Exchangeデータ保護戦略の定義 Exchange Serverシステム構築計画 プラグインのインストールと削除 プラグインの設定 データのバックアップ データのリストア
リストアとリカバリの概要 プラグインを使用したデータのリストア 高度なリストア手順の使用
トラブルシューティング

Exchange Serverデータベースの保護

データベースは、Exchange Serverスキーマ内の最もきめ細かなストレージ構造体です。メールボックスが特定のデータベースに割り当てられることで、セキュリティまたは拡張性向上を目的としたメールボックスによるデータの隔離が実現可能になります。時折、クリティカルまたは大容量のメールボックスはパフォーマンスの向上あるいはより高い頻度でバックアップを実行するため、別のデータベースに隔離されることがあります。

データベースは、Exchange Serverによってサポートされるメールボックス、メッセージ、フォルダ・ストアやその他さまざまなデータ・オブジェクトを格納するために使用されます。さまざまなデータ・オブジェクトが格納できますが、データベースは通常、メール・ストアかパブリック・フォルダ・ストアのいずれかのタイプに分かれます。Exchange Serverの用語では、「ストア」は「データベース」と同義です。

さらにMicrosoftでは、並列データベースのサポートを増すことにより、Exchange Server製品エディションの差別化を図っています。そのため、Enterprise EditionはStandard Editionと比較して、より多くの並列データベースのサポートが特徴づけられています。

Exchange Serverのトランザクション・ログの保護

Exchange Serverデータベースに実行されたすべての変更は、まずトランザクション・ログ・ファイルに書き込まれます。ユーザーがメールボックスに格納されたデータを変更したり、データがメールボックスに追加されたりするたびに、その変更はExchange Serverデータベースに書き込まれる前にトランザクション・ログ・ファイルに書き込まれます。

利用可能なバックアップ方法

Plug‑in for Exchange では、以下のバックアップ方法を使用できます。

Exchange 2007では、プラグインはESEまたは純粋なVSSバックアップ戦略の実行をサポートします。つまりバックアップ戦略にESEバックアップとVSSバックアップの組み合わせではなく、どちらかを含む必要があります。Exchange 2010以降では、VSSはExchangeがサポートする唯一のオプションです。

サポートされるExchangeシステム:スタンドアロン、SCC/フェイルオーバー・クラスタ、LCR(アクティブ・コピーのみ)、CCR(アクティブ・コピーのみ)

Microsoftでは、ESEを利用したExchange Serverデータベースのオンライン・バックアップ実行機能をサポートしています。ESEとは、Microsoftが提供する標準Exchange Serverコンポーネントで、Exchangeと高レベルの互換性があります。

重要: Windows Server 2008はExchange Server 2007 SP1以降をサポートしますが、それ以前のExchange 2007バージョンはサポートしていません。標準Exchange Server 2007 SP1インストールにおいて、ESEクライアント ライブラリ(esebcli2.dll)はExchange Server Binフォルダに格納されています。Exchange Server 2007 SP1のesebcli2.dllバージョンは8.1.240.5です。ただし、このライブラリをExchange BinフォルダからWindows Binフォルダへレプリケートしないと、Windows Binフォルダには古いバージョンの.dllファイルが表示される場合があります。 Plug‑in for Exchange はESEクライアント・ライブラリを使用します。これは、Windows Binフォルダ内で利用可能です。Windows Binフォルダ内に古いバージョンのライブラリが格納されていると、バックアップまたはリストア・ジョブは失敗することに注意してください。ジョブが失敗した場合は、ESEクライアント・ライブラリのコピーをWindows Binフォルダから別の安全な場所に退避してから、ESEクライアント・ライブラリのコピーをExchange Server BinフォルダからWindows Binフォルダへコピーした後、バックアップまたはリストア・ジョブを再度実行します。

Microsoftは、VSSを使用したExchangeデータのスナップショットの作成をサポートしています。Microsoftでは、Exchange固有のVSS Writerを提供してExchange Serviceを連係させ(Plug‑in for Exchangeの代わりとなる動作)、バックアップ用ストレージ・グループ/メールボックス・データベース・ファイルを用意し、バックアップの前にExchangeトランザクションのためにIOアクティビティを凍結し、次にバックアップが完了したらログの凍結を解除し、切り捨てを実行します。

VSSは、Exchange 2007 LCRおよびCCR環境用のバックアップ方法として推奨されています。CCR環境でVSSバックアップ方式を使用する場合、管理者はアクティブまたはパッシブ・ノードのどちらをバックアップするか選択できます。

Exchange 2010以降では、VSSはExchangeがサポートする唯一のオプションです。

VSSを使用して、次のことができます。

メモ: [ストレージにファイルをバックアップする]オプションは、ディスク・ベースのすべてのストレージでサポートされます。[スナップショットを永続的に保持する]オプションと[次の期間を経過したら廃棄]オプションを使用するには、バックアップするデータが、NetVault Backupでサポートされているディスク・アレイに存在している必要があります。また、永続的なスナップショットの場合、メタデータのみがターゲットにコピーされます。

Exchangeバックアップ戦略用にバックアップ方法を定義する場合、以下の違いを考慮する必要があります。

トランザクション・ログ・ファイルの管理

Exchange Serverにおけるバックアップ戦略を定義する場合、トランザクション・ログ・ファイルの管理は第一に考慮すべき項目です。

トランザクション・ログ・ファイルの切り捨てはExchange Serverのストレージ・グループ/メールボックス・データベースをクリーンアップするために実行され、その結果、パフォーマンスが向上し、必要なディスク・スペースとデータベースのリストアに必要な時間が軽減します。

Questは、トランザクション・ログ・ファイルの切り捨てが定期的に実行されるよう、バックアップを実行することをお勧めします。通常、週ごとまたは月2回のトランザクション・ログ・ファイルの切り捨てを実行するバックアップをお勧めします。最適条件は、使用している各Exchange Serverとその設定により異なります。

フル・バックアップや増分バックアップ・タイプなどのトランザクション・ログ・ファイルの切り捨てをサポートするバックアップ・タイプを使用する場合、プラグインがExchange Serverにバックアップが正常に完了したことを通知すると、Exchange Serverによってトランザクション・ログ・ファイルの切り捨てが実行されます。また、切り捨ての発生はExchange Serverでレプリケーションなど他の目的にログがまだ必要かどうかで決まるため、バックアップが正常に終了した直後には切り捨ては発生しない場合があります。

DAG環境では、トランザクション・ログ・ファイルの切り捨ては、データベースの再生ラグ・タイム・プロパティと切り捨てラグ・タイム・プロパティによっても決まります。これらのプロパティは設定可能です。再生ラグ・タイムは、データベース・コピーのログ再生を遅延させる時間を分単位で定義します。切り捨てラグ・タイムは、ログ・ファイルがデータベース・コピーに再生された後に、データベース・コピーのログ削除を遅延させる時間を分単位で定義します。

Exchange Serverがトランザクション・ログ・ファイルを切り捨てるには、以下の条件を満たす必要があります。

DAG環境では、トランザクション・ログ・ファイルが再生されたことがすべてのデータベース・コピーで確認されるまで、各データベース・コピーにトランザクション・ログ・ファイルが保持されます。データベースの1つまたは複数のパッシブ・コピーが一時停止またはオフラインになっていると、ログの切り捨てが行われず、トランザクション・ログ・ファイルが蓄積してディスク領域が消費されます。

一時停止またはオフラインのデータベース・コピーによるトランザクション・ログ・ファイルの蓄積の影響を和らげるために、Exchange Server 2013 Service Pack 1でゆるやかな切り捨てが導入されました。ゆるやかな切り捨てでは、使用可能な独自のディスク領域がそれぞれのデータベース・コピーで追跡され、ディスク領域が著しく少なくなると、ゆるやかな切り捨てが適用されます。ゆるやかな切り捨てが適用されると、それぞれのパッシブ・データベース・コピーでそのトランザクション・ログ・ファイルが独立して切り捨てられます。アクティブ・データベース・コピーでは、ログの再生が最も遅れているパッシブ・データベース・コピーを無視して切り捨てが行われます。

ゆるやかな切り捨てはデフォルトでは無効になっています。ゆるやかな切り捨てを有効にするには、それぞれのExchange Server DAGノードでWindowsレジストリを編集する必要があります。ゆるやかな切り捨てを有効にする前に、それがデータ保護の目標に役立つことを確認してください。ゆるやかな切り捨ての有効化についての詳細は、Exchange Serverドキュメントを参照してください。

フル・バックアップは、ファイルのタイプに関わらず、データベース用のすべてのファイルをバックアップします。トランザクション・ログのみのバックアップは、データベース用のトランザクション・ログ・ファイルのみをバックアップします。

フル・バックアップにより、すべてのデータベース・ファイルがバックアップされますが、これによりスタンドアロン・リストアに対処することができます。データベースのサイズによっては、ストレージ要件およびバックアップ完了に必要な時間という観点から、フル・バックアップが必要になる場合があります。大規模なデータベースの場合、ストレージと時間の要件は、重要な検討事項になる可能性があります。

トランザクション・ログのみバックアップは、より軽量なバックアップであり、最後のフル・バックアップ以降に起こったすべての新規アクティビティの記録を目的としています。このタイプのバックアップにより、大規模なデータベースのバックアップ時間やストレージ要件を大幅に軽減できることがありますが、リストアを完了するには、1つまたは複数の先行バックアップへの依存関係も発生します。

重要: 非連続レプリケーション環境用のVSSベースのバックアップでは、フル・バックアップまたはトランザクション・ログのみのバックアップが完了した時点で、トランザクション・ログを切り捨てます。LCRやCCR環境では、必要なすべてのログ・ファイルがレプリカ・コピー内で再生されるまでMicrosoft Exchange Replication Serviceによってログの切り捨てが延期されます。Microsoft Exchange Replication Serviceは、削除予定のログ・ファイルがパッシブ・コピー・データベースに正常に適用され、アクティブ・コピーおよびパッシブ・コピー・データベースのチェック・ポイントが問題となっているログ・ファイルを通過させたことを確認してから、バックアップされたログ・ファイルをアクティブ・コピーおよびパッシブ・コピー・ログ・ファイルのパスから削除します。
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