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NetVault Plug-in for Exchange 12.1 - ユーザー・ガイド

NetVault Backup Plug-in for Exchange - はじめに Exchangeデータ保護戦略の定義 Exchange Serverシステム構築計画 プラグインのインストールと削除 プラグインの設定 データのバックアップ データのリストア トラブルシューティング

差分バックアップ

差分バックアップは、最後のフルまたは増分バックアップ以後に発生した変更を記録するトランザクション・ログ・ファイルのバックアップを実行します。差分バックアップは、トランザクション・ログの切り捨ては実行しませんが、その代わりExchange Serverの操作の健全性も保たれません。

各差分バックアップには、前の差分バックアップにも含まれていたトランザクション・ログ・ファイル、および前の差分バックアップ以降に生成されたトランザクション・ログ・ファイルが含まれることになり、以降の差分バックアップのサイズが大きくなり、その時間も長くなります。たとえば、月曜日から土曜日までの差分バックアップを伴って、日曜日にフル・バックアップの実行がスケジュールされている場合、月曜日の差分には日曜日のフル・バックアップ以降生成されたトランザクション・ログ・ファイルが含まれます。一方、火曜日の差分には、月曜日に生成されたトランザクション・ログ・ファイルと火曜日に生成されたトランザクション・ログ・ファイルも含まれます。水曜日の差分バックアップには、月曜日、火曜日、および水曜日のトランザクション・ログが含まれる、というようになります。

トランザクション・ログのみのバックアップを使用すると、増分バックアップは、「ベース」となるバックアップを常に必要とし、大抵はフル・バックアップが必要となります。まずフル・バックアップを実行せずに差分バックアップを実行すると、バックアップは失敗に終わり、さらにExchange Serverの適切なリストアおよびリカバリを妨げる場合があります。

差分バックアップをフル・バックアップとともに使用することで、良好なバックアップ/リストア・パフォーマンスが得られる一方、フル・バックアップによる全体として適切なデータベースメンテナンスの実現という、容認できるトレードオフが成立します。

増分バックアップと差分バックアップの比較

Exchange Serverは、トランザクション・ログ・ファイルを増分バックアップにバックアップした後、トランザクション・ログ・ファイルの切り捨てを行うため、以降の増分バックアップは高速になります。これは、最後の増分バックアップ以降に作成されたトランザクション・ログ・ファイルのみをバックアップするためです。ただし、増分バックアップを使用するリストア・シーケンスでは、フル・バックアップから障害時点までに実行されたすべての増分バックアップを継続してリストアする必要があります。このプロセスでは、複数のリストア・ジョブを開始するためにユーザーが実行する操作が多くなり、リストアに長い時間がかかる可能性があります。

差分バックアップでは、バックアップ後のトランザクション・ログ・ファイルの切り捨ては実行しません。後続の差分バックアップでは、最後のフル・バックアップ以降のトランザクション・ログ・ファイルがバックアップに含まれるため、処理時間が増加します。ただし、差分バックアップを使用するリストア・シーケンスでは、フル・バックアップのリストア後に差分バックアップを1つのみリストアするだけで済みます。このプロセスでは、リストア・プロセス中にユーザーが実行する操作が少なくなり、リストア時間は短くなります。

増分バックアップと差分バックアップについて決定する際のその他の考慮事項としては、トランザクション・ログ・ファイルの適切な切り捨て頻度です。増分バックアップを実行する場合、Exchange Serverによりトランザクション・ログ・ファイルは増分バックアップと同じ頻度で切り捨てられます。たとえば、増分バックアップが毎日実行されている場合、トランザクション・ログ・ファイルも毎日切り捨てられます。ただし、差分バックアップの場合、トランザクション・ログ・ファイルはフル・バックアップが実行された場合にのみ切り捨てられます。従って、フル・バックアップが週単位でのみ実行されている場合、トランザクション・ログ・ファイルも週単位で切り捨てられます。

差分バックアップ戦略の実装は、より高速なリストアにつながりますが、Exchange Serverの健全な動作を管理するため、より高い頻度でのフル・バックアップが必要になります。

バックアップ・シーケンス例

フル・バックアップのみ:要件で前日までのデータ保護が保証されており、以下の条件に適合する場合、夜間にフル・バックアップを実行すれば十分です。
フル・バックアップと増分バックアップ:要件で前日までのデータ保護が保証されており、バックアップ時間をできる限り短縮する必要があり、定期的なトランザクション・ログ・ファイルの切り捨てが必要である場合、フル・バックアップと増分バックアップを組み合わせて使用することが最適です。
フル・バックアップと差分バックアップ:要件で前日までのデータ保護が保証されており、リストアとバックアップ時間をできる限り早くする必要があり、時折トランザクション・ログ・ファイルの切り捨てが必要である場合、フル・バックアップと差分バックアップを組み合わせて使用することが最適です。

スナップショット・ベースのバックアップとリストアについて

このプラグインでは、ハードウェアまたはソフトウェアVSSプロバイダを使用して、永続的または非永続的VSSベースのスナップショットを作成できます。このプラグインは、VSSプロバイダを使用してクライアントでスナップショットを作成し、選択したデータをスナップショット(複数可)からストレージ・デバイスにコピーします。

Dell Compellentストレージ・アレイでは、ハードウェア・ベースの統合VSSスナップショットを使用できます。同じバックアップ・ジョブに、データベースが混在(Compellentと非Compellent)が混在している場合、プラグインは同じストレージ・デバイスにすべてのデータベースがバックアップされることに注意してください。

永続的スナップショットを作成して使用するには、バックアップするデータがNetVault Backup対応ディスク・アレイ上に存在している必要があります。サポートされていないディスク・アレイ上のデータ、またはローカル・ドライブ(MicrosoftソフトウェアVSSプロバイダを使用してスナップショットを作成する対象)にあるデータを使用して、永続的なスナップショットを作成しようとする場合、必要なハードウェアのスナップショットの作成に失敗し、プラグインのデフォルトがソフトウェアのスナップショットの使用に設定されます。ソフトウェアのスナップショットを作成する場合、データは(オプション[ファイルをストレージにバックアップ]が選択されていない場合でも)ストレージにのみバックアップされ、非永続的なスナップショットが作成されます。

NetVault Backup対応ディスク・アレイとサポートされていないディスク・アレイまたはローカル・ドライブが混在する、異なるストレージ内に存在しているデータをバックアップに含めた場合も同じ問題が発生します。たとえば、バックアップに5つのExchangeメールボックス・データベースが含まれていて、NetVault Backupがサポートされるディスク・アレイ内の異なるボリュームに3つのメールボックス・データベースが存在し、その他の2つのメールボックス・データベースはExchange Server上の2つの異なるローカル・ドライブに存在するとします。一部のメールボックス・データベースがNetVault Backupがサポートするディスク・アレイ上に存在していないので、[スナップショットを永続的に保持]を選択すると、ハードウェア・スナップショットの取得は失敗します。必要なハードウェア・スナップショットの取得に失敗すると、プラグインはソフトウェア・スナップショットの取得を試行します。成功した場合、データは、オプション[ストレージにファイルをバックアップする]が選択されていなくてもNetVault Backup管理対象記憶域に保存されます。

バックアップ・ターゲットがディスク・アレイなどの非NetVault Backupメディアで、リストアを完了する必要がある場合は、次の点に注意してください。ExchangeデータベースをDAGにリストアする場合に、ターゲット・クライアントを指定しないと、プラグインは、アクティブなコピーをホストしているノードにデータベースをリストアします。永続的なスナップショットからデータベースをリストアした場合、プラグインは、スナップショットを取得したクライアントのボリュームをバックアップ・プロセス中にマップします。これらの条件があるので、永続的なスナップショットからDAGへのリストアの場合、つまり、ターゲット・クライアントがNetVault Backup仮想クライアントである場合には、データベースのアクティブなコピーが、バックアップ・プロセス中にスナップショットを取得するノードでホストされている必要があります。

例:DB1がバックアップされている間にnode1がスナップショットを取得した場合、スナップショットからDB1をリストアするには、node1がDB1のアクティブなコピーのホストとなっている必要があります。それ以外の場合は、リストアに失敗します。たとえば、node2が現在のDB1のアクティブなコピーをホストしている場合、アクティブな役割をnode2からnode1に戻す必要があります。

アクティブロールの割り当てを変更するには、次のPowerShellコマンドを使用します。

Move-ActiveMailboxDatabase <データベース名> -ActivateOnServer <サーバー名>

データベースの破損が原因で検証エラーが発生した場合は、-SkipClientExperienceChecksスイッチを使用して、データベースを強制的にアクティベーションします。

Move-ActiveMailboxDatabase <データベース名> -ActivateOnServer <サーバー名>

NetVault Backup対応のOSバージョンとディスク・アレイの詳細については、『QuestNetVault Backup互換性ガイド』を参照してください。

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