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NetVault Plug-in for Exchange 12.1 - ユーザー・ガイド

NetVault Backup Plug-in for Exchange - はじめに Exchangeデータ保護戦略の定義 Exchange Serverシステム構築計画 プラグインのインストールと削除 プラグインの設定 データのバックアップ データのリストア トラブルシューティング

Exchange Serverデータベースの保護

データベースは、Exchange Serverスキーマ内の最もきめ細かなストレージ構造体です。メールボックスが特定のデータベースに割り当てられることで、セキュリティまたは拡張性向上を目的としたメールボックスによるデータの隔離が実現可能になります。時折、クリティカルまたは大容量のメールボックスはパフォーマンスの向上あるいはより高い頻度でバックアップを実行するため、別のデータベースに隔離されることがあります。

データベースは、Exchange Serverによってサポートされるメールボックス、メッセージ、フォルダ・ストアやその他さまざまなデータ・オブジェクトを格納するために使用されます。さまざまなデータ・オブジェクトが格納できますが、データベースは通常、メール・ストアかパブリック・フォルダ・ストアのいずれかのタイプに分かれます。Exchange Serverの用語では、「ストア」は「データベース」と同義です。

さらにMicrosoftでは、並列データベースのサポートを増すことにより、Exchange Server製品エディションの差別化を図っています。そのため、Enterprise EditionはStandard Editionと比較して、より多くの並列データベースのサポートが特徴づけられています。

Exchange Serverのトランザクション・ログの保護

Exchange Serverデータベースに実行されたすべての変更は、まずトランザクション・ログ・ファイルに書き込まれます。ユーザーがメールボックスに格納されたデータを変更したり、データがメールボックスに追加されたりするたびに、その変更はExchange Serverデータベースに書き込まれる前にトランザクション・ログ・ファイルに書き込まれます。

VSS(Volume Shadow Copy Service)バックアップ方式の確認

Microsoftは、VSSを使用したExchangeデータのスナップショットの作成をサポートしています。Microsoftは、Exchange固有のVSS Writerを提供しています。これは、Exchange Serviceと連係し(Plug‑in for Exchangeの代わりとなる動作)、バックアップ用メールボックス・データベース・ファイルを用意し、バックアップの前にExchangeトランザクションのためにIOアクティビティを凍結し、バックアップが完了したらログの凍結を解除し、切り捨てを実行します。

VSSを使用すると、次のことができます。

メモ: [ファイルをストレージにバックアップ]オプションは、どのディスク・ベースのストレージでもサポートされます。[スナップショットを永続的に保持]および[次の期間を経過したら廃棄]オプションを使用するには、バックアップするデータがNetVault Backup対応ディスク・アレイに存在している必要があります。また、永続的なスナップショットの場合、メタデータのみがターゲットにコピーされます。

トランザクション・ログ・ファイルの管理

Exchange Serverにおけるバックアップ戦略を定義する場合、トランザクション・ログ・ファイルの管理は第一に考慮すべき項目です。

トランザクション・ログ・ファイルの切り捨てはExchange Serverのメールボックス・データベースをクリーンアップするために実行されます。その結果、パフォーマンスが向上し、必要なディスク・スペースが少なくなり、データベースのリストアに必要な時間が短縮されます。

Questは、トランザクション・ログ・ファイルの切り捨てが定期的に実行されるよう、バックアップを実行することをお勧めします。通常、週ごとまたは月2回のトランザクション・ログ・ファイルの切り捨てを実行するバックアップをお勧めします。最適条件は、使用している各Exchange Serverとその設定により異なります。

フル・バックアップや増分バックアップ・タイプなどのトランザクション・ログ・ファイルの切り捨てをサポートするバックアップ・タイプを使用する場合、プラグインがExchange Serverにバックアップが正常に完了したことを通知すると、Exchange Serverによってトランザクション・ログ・ファイルの切り捨てが実行されます。また、切り捨ての発生はExchange Serverでレプリケーションなど他の目的にログがまだ必要かどうかで決まるため、バックアップが正常に終了した直後には切り捨ては発生しない場合があります。

DAG環境では、トランザクション・ログ・ファイルの切り捨ては、データベースの再生遅延時間と切り捨て遅延時間のプロパティによって決定されます。このプロパティは設定可能です。再生遅延時間では、データベース・コピーのログ再生を遅延する時間が分単位で定義されます。切り捨ての遅延時間では、ログ・ファイルがデータベース・コピーに再生された後で、データベース・コピーのログ削除を遅延する時間が分単位で定義されます。

Exchange Serverでトランザクション・ログ・ファイルを切り捨てるには、次の条件を満たす必要があります。

DAG環境では、すべてのデータベース・コピーでトランザクション・ログ・ファイルが再生されたことを確認するまで、各データベース・コピーはトランザクション・ログ・ファイルを保持します。データベースの1つまたは複数のパッシブ・コピーが一時停止またはオフラインになっている場合、ログは切り捨てられず、トランザクション・ログ・ファイルが蓄積しディスク・スペースが消費されます。

一時停止またはオフラインのデータベース・コピーによる、トランザクション・ログ・ファイルの蓄積の影響を軽減するために、Exchange Server 2013 Service Pack 1で緩い切り捨てが導入されました。緩い切り捨てでは、各データベース・コピーが自らの使用可能なディスク容量を追跡し、ディスク容量が著しく低下したときに、緩い切り捨てを適用します。緩い切り捨てが適用されていると、パッシブ・データベース・コピーは、それぞれ独立して各自のトランザクション・ログ・ファイルを切り捨てます。アクティブなデータベース・コピーの場合、切り捨てでは、最も後方にある再生ログであるパッシブ・データベース・コピーが無視されます。

緩い切り捨てはデフォルトでは無効になっています。緩い切り捨てを有効にするには、各Exchange Server DAGノードでWindowsレジストリを編集する必要があります。緩い切り捨てを有効にする前に、それがデータ保護に役立つことを確認してください。緩い切り捨てを有効にする方法の詳細については、Exchange Serverのマニュアルを参照してください。

フル・バックアップは、ファイルのタイプに関わらず、データベース用のすべてのファイルをバックアップします。トランザクション・ログのみのバックアップは、データベース用のトランザクション・ログ・ファイルのみをバックアップします。

フル・バックアップにより、すべてのデータベース・ファイルがバックアップされますが、これによりスタンドアロン・リストアに対処することができます。データベースのサイズによっては、ストレージ要件およびバックアップ完了に必要な時間という観点から、フル・バックアップが必要になる場合があります。大規模なデータベースの場合、ストレージと時間の要件は、重要な検討事項になる可能性があります。

トランザクション・ログのみバックアップは、より軽量なバックアップであり、最後のフル・バックアップ以降に起こったすべての新規アクティビティの記録を目的としています。このタイプのバックアップにより、大規模なデータベースのバックアップ時間やストレージ要件を大幅に軽減できることがありますが、リストアを完了するには、1つまたは複数の先行バックアップへの依存関係も発生します。

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