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NetVault Plug-in for FileSystem 12.2 - ユーザー・ガイド

前書き プラグインのインストール プラグインの設定 データのバックアップ データのリストア トラブルシューティング

増分バックアップおよび差分バックアップの実行

増分または差分バックアップを実行するには：
1
バックアップ・ジョブ・ウィザードを開始します。
2
［ジョブ名］に、ジョブの名前を指定します。
ジョブの進行やデータのリストア状態を監視する際に識別しやすい、分かりやすい名前を割り当てます。ジョブ名には英数字と英数字以外の文字を使用できますが、非ラテン語系の文字を含めることはできません。また、長さ制限はありません。ただし、すべてのプラットフォームで、40文字以内にすることをお勧めします。
3
［選択］リストで、フル・バックアップを実行するために使用されたバックアップ・セレクション・セットを選択します。
4
［プラグイン・オプション］リストで既存のバックアップ・オプション・セットを選択するか、または以下の手順に従って新しいセットを作成します。
a
［新規作成］をクリックして、［File System Pluginバックアップ・オプション］ページを表示します。
b
以下の設定を行います。
 
オプション
説明

バックアップ方式

［バックアップ方式］で、適切なオプションを設定します。

•
［標準］：ネイティブ・ファイル・システムのバックアップを利用する場合は、［標準］を選択します。Linux/UNIXシステムでは、この方式のみを利用できます。
•
［Volume Shadow Copy Service（VSS）］：VSSをサポートしているWindowsシステムで、VSSを利用してバックアップを行う場合は、このオプションを選択します。
LinuxおよびUNIXシステムでは、このオプションを利用できません。

バックアップ方式についての詳細は、「バックアップ方式について」を参照してください。

バックアップ・タイプ

［バックアップ・タイプ］で、適切なオプションを選択します。バックアップ・タイプについての詳細は、「バックアップ・タイプについて」を参照してください。

•
増分：前回のフル、増分、または差分バックアップ以降に作成または変更されたファイルをバックアップする場合に選択します。
•
［差分］：前回のフル・バックアップ以降に作成または変更されたファイルをバックアップする場合に選択します。
•
［ダンプ・タイプ・バックアップの作成］：ダンプ・タイプの増分または差分バックアップを作成する場合に選択します。
これらのバックアップでは、特定の増分または差分バックアップでバックアップされたファイルのみをリストアできます。
メモ： 通常の増分バックアップは、最初のフル・バックアップおよび以前の増分バックアップにリンクされます。通常の増分バックアップのデータ・コピーを作成する前に、最初のフル・バックアップおよびバックアップ・シーケンス内の以前の増分バックアップのコピーを作成する必要があります。そうしないと、Plug-in for Data Copyでエラーが発生します。

ダンプ・タイプ増分バックアップは、スタンドアロンの増分バックアップです。このようなバックアップは、バックアップ・シーケンス内の他のバックアップのコピーを作成せずに、コピーすることができます。

アーカイブ・ビットを無視

Windowsでは、前回のバックアップ以降にファイルが変更されたかどうかを判断するのに、アーカイブ・ビットが役立ちます。ファイルが変更された場合、アーカイブ・ビットには「1」が設定されます。ファイルが変更されていない場合は、「0」が設定されます。デフォルトでは、アーカイブ・ビットが「1」のファイルがバックアップされ、バックアップ完了後はこのビットが消去されます。

ファイル・サイズや前回変更日時など、特定の情報が前回のバックアップから変更されている場合、プラグインはアーカイブ・ビットの状態にかかわらずそのファイルをバックアップします。

メモ： アーカイブ・ビットは、ファイルが変更されたかどうかの明確な証拠にはなりません。単にビットが設定されたことのみを表しています。ファイルの変更には関係なく、アーカイブ・ビットを変更するアプリケーションもあります。

アーカイブ・ビットの設定を無視し、ファイル・サイズ、前回更新日時、およびその他のファイル属性のみを使用して対象ファイルをバックアップする場合は、［アーカイブ・ビットを無視］チェック・ボックスを選択します。このオプションは、以下のような状況で役立ちます。

•
プログラムがアーカイブ・ビットの状態を変更するため、プラグインが不要なファイルやフォルダまでバックアップしてしまう。
•
NetVault Backupがバックアップ対象ファイルにアクセスできるけれども、アクセス権がないためバックアップ後にアーカイブ・ビットの設定をクリアできない。

［アーカイブ・ビットを無視］チェック・ボックスを選択した場合、随意アクセス制御リスト（DACL）、システム・アクセス制御リスト（SACL）、または所有者属性のなどのファイル属性だけが変更されたファイルとディレクトリは、バックアップの対象になりません。そのようなファイルをバックアップしたい場合は、チェック・ボックスを選択します。

c
使用するその他のオプションを設定します。詳細は、「フル・バックアップのバックアップ・オプション」を参照してください。
d
［保存］をクリックして、［新規セットの作成］ダイアログ・ボックスにセットの名前を入力します。［保存］をクリックしてダイアログ・ボックスを閉じます。
5
スケジュール・セット、ターゲット・セット、および詳細設定セットを選択または作成します。これらの設定についての詳細は、『Quest NetVault Backupアドミニストレーターズ・ガイド』を参照してください。
6
ジョブ実行をスケジュールするには、［保存 ＆ 実行］をクリックします。［ジョブ・ステータス］ページではジョブの進捗をモニタしたり、［ログ］ページではログを参照表示することができます。
スケジュールしないでジョブ定義を保存するには、［保存］をクリックします。このジョブは、［ジョブ定義管理］ページから、表示、編集、または実行することができます。実行しない限り、［ジョブ・ステータス］ページにこのジョブは表示されません。
［ジョブ・ステータス］、［ログ参照］、［ジョブ定義管理］についての詳細は、『Quest NetVault Backupアドミニストレーターズ・ガイド』を参照してください。

ジョブの停止

NetVault Backup Plug‑in for FileSystemは、ジョブを任意の時点で停止して、後ほどそこからジョブを再開することができます。この機能を使用するには、ジョブを再開可能に設定しておく必要があります。

このオプションについての詳細は、「フル・バックアップの実行」を参照してください。

ジョブを停止すると、その時点までに処理されたすべてのアイテムのインデックスが生成され、バックアップ・メディアとNetVaultデータベースに書き込まれます。次にジョブ・ステータスが［ジョブは停止しました］に設定されます。プラグインが大きなバックアップ・インデックスを書き込んでいる場合、ジョブ・ステータスは継続的に「メディアへ書き込み中：バックアップ・インデックスの保存中」と報告されます。後でジョブを再開すると、残りのファイルとフォルダに対して増分バックアップ・ジョブが実行されます。

 
* 
メモ： 複数のジョブ・インスタンスを同時に選択すると、［停止］および［再開］機能は動作しません。
ジョブを停止するには：
1
［ナビゲーション］パネルで、［ジョブ・ステータス］をクリックします。
2
ジョブのリストでジョブを選択して、［停止］をクリックします。
3
確認ダイアログ・ボックスで、［OK］をクリックします。

ジョブの再開

［再開］により、ジョブを停止した時点からバックアップを再開することができます。この機能を使用するには、ジョブを再開可能に設定しておく必要があります。ジョブを再開すると、残りのファイルとフォルダに対して増分バックアップ・ジョブが実行されます。

 
* 
メモ： 複数のジョブを同時に選択すると、［停止］および［再開］は動作しません。
ジョブを再開するには：
1
［ナビゲーション］パネルで、［ジョブ・ステータス］をクリックします。
2
ジョブのリストでジョブを選択して、［再開］をクリックします。

ネットワーク・シェアのバックアップの実行

現在のところ、ネットワーク・シェアのバックアップは、Windowsネットワーク・シェアのみをサポートしています。この機能を利用してSamba、Snap Appliance Filers、Mac OS X シェアなどのCIFS互換シェアのバックアップを実行すると、さまざまな問題が発生する可能性があります。このような問題として、特定のファイル名エンコーディングまたは長さを持つファイルがバックアップできない、バックアップ中にファイル名が変更されてしまう、または権限が正しくリストアされないなどが挙げられます。

ネットワーク・シェア・バックアップの実施手順には、以下のセクションに記載されているステップが含まれます。

•
前提条件
•
ネットワーク・シェアの設定
•
ネットワーク・シェアのログイン・アカウントの設定
•
ネットワーク・シェア・データのバックアップ
前提条件

ネットワーク・シェアのバックアップを開始する前に、以下の必要条件を満たしていることを確認する必要があります。

•
「ソフト」マウント・オプションの使用：NFSシェアをバックアップする場合は、マウント・ポイントに対して「ソフト」マウント・オプションを使用します。
「ソフト」マウント・オプションを使用すると、NFS要求がタイムアウトしたときに、Plug‑in for FileSystemにより操作が強制終了され、エラーが報告されます。そのため、プラグインが無効なマウント・ポイントにアクセスしようとすると、要求がタイムアウトした後に、操作が強制終了します。
「ソフト」マウント・オプションでは、［timeo=<value>］および［retrans=n］オプションを設定できます。
•
［retrans］オプションでは、エラーが報告されるまでの要求の再試行回数を指定します。［retrans］のデフォルト値は、3です。
•
［timeo］オプションでは、再送信までの待機時間（秒数）を指定します。［timeo］のデフォルト値は、OSによって異なりますが、通常600秒です。
これらのオプションを設定したら、指定時間後に要求がタイムアウトしたかどうかを確認するために、無効なマウント・ポイントを参照して（コマンドls <マウント・ポイント>を使用）、テストを実行することをお勧めします。
マウント・コマンドと利用できるオプションについての詳細は、関連するOSのドキュメントを参照してください。
「ハード」マウント・オプションを使用すると、NFS要求が永続的に試行されるため、プラグインは永続的に待機することになります。
「ハード」マウント・オプションを使用し、NFSシェアをエクスポートするマシンがネットワーク上にない場合、その「無効な」マウント・ポイントにアクセスするプラグイン・ジョブは、応答を停止します。このような問題が発生した場合は、kill -9を使用してnvfsプロセスを強制終了するか、［Windows タスク・マネージャ］を使用してプロセスを終了させます。このジョブに関連付けられたジョブ・マネージャ・プロセスは、タイムアウト時間（通常は「300」秒）の経過後に、自動的に終了します。残っているジョブ・マネージャが存在する限りインスタンスはアクティブとみなされるため、このタイムアウト時間が経過するまでは、ジョブに対して［今すぐ実行］オプションを使用することはできません。
•
増分バックアップの「変更」権限の付与：ネットワーク・シェアの増分バックアップを実行する場合、特定のシェアにログオンするように設定されているユーザーには、共有フォルダに対する「変更」権限を与える必要があります。この権限を与えないと、プラグインはファイルがバックアップされたことを示すファイル属性を更新できないため、ジョブ・インスタンスでは変更されたファイルが繰り返しバックアップされてしまいます。
ネットワーク・シェアの設定

NetVault Backup以外のクライアントの共有フォルダをバックアップするには、バックアップ・ジョブを実行するNetVault Backupクライアントでネットワーク・シェアを設定する必要があります。

ネットワーク・シェアを設定するには：
1
バックアップ・ジョブ・ウィザードを開始して、［セレクション］リストの隣りにある［新規作成］をクリックします。
2
［NetVault Backupセレクション］ページで、適切なクライアントを開き、次に［ファイル・システム］を開きます。
3
［ネットワーク・シェア］を選択して、［ネットワーク・シェアを追加する］をクリックします。
4
［新しいネットワーク・シェアを追加する］ダイアログ・ボックスで、以下の形式で共有ドライブのファイル・パスを指定します。
\\<IPアドレスまたは接続可能なネットワーク名>\<シェア名>\
 
* 
メモ： 非表示の共有場所でバックアップおよびリストア・ジョブを実行することはお勧めしません。たとえば、\\<IPアドレスまたは接続可能なネットワーク名>\C$\、ここで、C$は非表示の共有場所です。
5
ネットワーク・シェアを追加してダイアログ・ボックスを閉じるには、［追加］をクリックします。
ネットワーク・シェアのログイン・アカウントの設定
ネットワーク・シェアにログオンするためのユーザー・アカウントを設定するには：
1
［NetVault Backupセレクション］ページで［ネットワーク・シェア］を選択して、［接続する］をクリックします。
2
［接続の詳細］ダイアログ・ボックスで、以下の情報を指定します。
•
［ドメイン］：共有フォルダが存在するシステムのWindowsドメイン名を入力します。
•
［ユーザー名］：ドメイン管理者のユーザー名を入力します。ネットワーク・シェアのバックアップは、リストア時にファイルおよびディレクトリの権限をすべて取得できるように、ドメイン管理者のアカウントを使用して実行する必要があります。管理者グループに属するユーザーには、ドメイン管理者の権限はありません。
 
* 
メモ： バックアップ用に非ドメイン管理者アカウントを設定する場合は、リストア後に手動でファイルおよびディレクトリ権限を設定する必要があります。
•
［パスワード］：ユーザー・アカウントのパスワードを指定します。
3
接続の詳細を保存してダイアログ・ボックスを閉じるには、［OK］をクリックします。
ネットワーク・シェア・データのバックアップ
ネットワーク・シェア・データをバックアップするには：
1
［NetVault Backup セレクション］ページで、［ネットワーク・シェア］をダブルクリックします。
2
バックアップするデータを選択します。
•
すべてのネットワーク・シェアをバックアップする場合：［ネットワーク・シェア］ノードを選択します。
•
個別の共有フォルダをバックアップする場合：バックアップする項目に対応するチェック・ボックスを選択します。
•
個別のアイテムをバックアップする場合：親ノードを開きます。ディレクトリ・ツリーを参照して、バックアップするアイテムを探します。
バックアップ対象にするファイルまたはディレクトリに対応するチェック・ボックスを選択します。親ノードを選択すると、そのノード内のすべての子アイテムが、自動的にバックアップに含められます。
•
子アイテムを除外する場合：選択した親ノード内のファイルやディレクトリを除外するには、該当するチェック・ボックスをクリックしてチェック・マークを×印に変更します。
［保存］をクリックして、バックアップ・セレクション・セットを作成します。
3
［バックアップ・ジョブ・ウィザード］ページで、ジョブ名を指定します。
4
「フル・バックアップの実行」のStep 4からStep 6を実行します。
5
増分バックアップまたは差分バックアップの実行について詳しくは、「増分バックアップおよび差分バックアップの実行」を参照してください。
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