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NetVault 13.1.2 - インストール・ガイド

前書き NetVaultシステム構築例 インストール前要件の確認 NetVaultのインストール インストール後要件の確認 NetVaultのアップグレード NetVaultのライセンス NetVaultの削除 トラブルシューティング

展開の計画

NetVaultシステムを展開する前に、以下のトピックを確認します。

NetVaultを展開する最初のステップでは、サーバーおよびクライアント・マシンを識別します。

NetVaultサーバー:このマシンは、NetVaultのサーバー・バージョンをホストします。
サーバーはすべてのNetVault操作を管理し、クライアントのバックアップおよびリカバリ操作を処理します。NetVaultサーバーは、そのサーバーのローカル・データのバックアップやリストアを行うために、そのサーバー自身のクライアントとして機能することもできます。
NetVaultクライアント:これらのマシンは、NetVaultのクライアント・バージョンをホストし、
バックアップおよびリストアの対象となります。

NetVaultは、ローカル・ディスク上にインストールされている必要があります。ネットワーク・シェアやマウント・ポイントを選択し、それが失われた場合、NetVaultが停止または誤動作する場合があります。

LinuxおよびUNIXプラットフォームでは、マウント・ポイントに、NetVaultをインストールできません。インストーラは、マウント・ポイントの既存のコンテンツを削除しようとしますが、LinuxおよびUNIXでは削除できません。

NetVault サーバをインストールするには、Windows ベースのシステムで約 200 MB のディスク容量、
Linux ベースのシステムで約 160 MB のディスク容量が必要です。

NetVaultデータベースは、システム情報、設定ファイル、ジョブ詳細、およびバックアップ・インデックスを保管します。これは、NetVaultサーバー上に作成されます。NetVaultシステム内で各種データ保護操作が実施されるにつれて、データベースのサイズは増加していきます。空き容量の不足によってデータベースを更新できない場合、NetVaultの操作が停止する可能性があります。

NetVaultデータベースは、リモート・ファイル・システム(ネットワーク共有、ネットワークにマッピングされたドライブ、NFCボリュームなど)に置くことはできません。NetVaultデータベースをインストールするには、ローカルのドライブまたはボリューム上のディレクトリを選択する必要があります。

データベース・ディレクトリには、以下のサブディレクトリがあります。

install:このディレクトリには、サーバーおよびクライアント・マシンにインストールされたNetVaultモジュールのリストを含む、modulesファイルがあります。installディレクトリは、サイズの小さいディレクトリです。
lv:このディレクトリには、productlicenses.xml というライセンスファイルが 1 つあり、ここにインストールライセンスが追加されます。このディレクトリは、サイズの小さいディレクトリです。
MediaDatabase:このディレクトリには、メディア・レコードとバックアップ・インデックスが保
存されます。MediaDatabaseディレクトリは、NetVaultシステムの使用に伴って増加していきます。MediaDatabaseディレクトリに必要となる容量を推定するには、「データベース・サイズの計算
を参照してください。
pgsql:このディレクトリには、バックアップおよびリストアのジョブ・レコードが保存されます。このディレクトリに必要となる容量は、ジョブの内容に応じて変わります。NetVaultデータベースに必要となる容量を計算するときは、このディレクトリ用に、MediaDatabaseサイズの10パーセントを追加することを検討してください。

MediaDatabaseに必要となる容量を推定する場合は、以下のことを考慮してください。

マシン1台当たりのバックアップ対象ファイルとディレクトリの概数:バックアップ対象の各ファイルおよびディレクトリについて、NetVaultデータベースのインデックス・エントリで使用する平均バイト数を求めておく必要があります。この平均値は、「71バイト+ターゲット・ファイル・システムを構成する各ファイルの名前に含まれる平均文字数」という公式に基づいて求めます。
各バックアップで保持する世代数:世代とは、ファイルまたはディレクトリ・バックアップの個別のインスタンスを指します。たとえば、デフォルトのバックアップ設定を使用して同じファイルを7回バックアップした場合、メディア上には7世代分のファイルが保存され、NetVaultデータベース上に7世代分のインデックスが作成されます。

この情報に基づき、次の計算式を使用して、MediaDatabaseディレクトリに必要となる容量を計算できます。

マシン1台当たりのバックアップ対象ファイルとディレクトリの概数

X

保持する概算世代数

X

バックアップ対象のマシン数

X

(71バイト+ファイル名の平均文字数)

ターゲットファイルシステムのファイル名またはディレクトリ名の平均文字数が 8 文字で、200,000 個のファイルと、15,000 個のディレクトリを 1 回バックアップする場合、インデックス作成に 17.5 MB の容量が必要です。同じファイルとディレクトリを 3 回バックアップする場合は、インデックス作成に 52.5 MB が必要となります。同じファイルとディレクトリを 5 回バックアップする場合は、インデックス作成に 87.5 MB が必要となり、バックアップの回数が増えるたびに必要な容量も増えていきます。

NetVaultの名前とパスワードの決定

インストール時に、NetVaultサーバーとクライアント・マシンには、名前とパスワードが割り当てられます。

NetVaultマシン名:NetVaultマシン名は、NetVaultドメイン内のサーバーおよびクライアント・マシンを識別するために使用されます。
デフォルトでNetVaultはOSが割り当てたマシン名を使用します。名前に不正な文字が含まれている場合、NetVaultは、これらの文字をアンダースコア(_)に置き換えます。
NetVaultデータベースは、名前を介してNetVaultサーバーと関連付けられています。サーバーの再配置時に、新しいマシン上にNetVaultソフトウェアをインストールした後、システムのリカバリにNetVaultデータベースのバックアップが用いられます。そのため、NetVaultサーバーには、OSが割り当てた名前を使用しないことをお勧めします。
NetVaultマシン名には、最大63文字を使用できます。マシン名が63文字を超える場合、NetVaultサービスの開始に失敗することがあります。NetVault マシン名には、大文字(A~Z)、小文字(a~z)、
数字(0~9)、ハイフン(-)、アンダースコア(_)、およびピリオド(.)を使用できます。
NetVaultマシンのパスワード:NetVaultマシンのパスワードはクライアントをサーバーに追加する際に使用します。マシン・パスワードには、最大100文字を使用することができます。以下の文字を使用することはできません。
\およびスペース
メモ: GUIモードまたはテキスト・モードでのNetVaultのインストール時に、マシン・パスワードまたはPostgreSQLデータベース・スーパーユーザー・パスワードで特殊文字をエスケープしないでください。ただし、nvpasswordまたはnvpgdbpasswdなどのCLIオプションを使用する場合は、CLIが必要なパスワードを適切に受信するように、特殊文字をエスケープします。たとえば、パスワードが<>&#|/"':*.-`()[]{}$@?の場合は、次のように入力します。
Linuxシェルの場合\<\>\&#\|/\"\':\*.-\`\(\)[]{}\$@?
NetVault PostgreSQL Linuxユーザー・
アカウントの決定

NetVaultでは、PostgreSQLを個別のユーザー・アカウントで実行します。このユーザー・アカウントは、サーバーによって管理されているデータのみを所有する必要があり、他のデーモンとデータを共有してはなりません。

ときどき、システムのポリシー制限のために、Linuxオペレーティング・システム上のNetVaultサーバー・インストーラが、新しいPostgreSQL Linuxユーザー・アカウントを自動的に作成できない場合があります。

NetVault サーバのインストール時には、PostgreSQL Linux ユーザーアカウントに関して次のいずれかのオプションを選択できます。

NetVaultでPostgreSQL Linuxユーザーの作成を許可:NetVaultによるPostgreSQL Linuxユーザー・アカウントの自動作成を許可するデフォルトのオプションです(デフォルト値:Linuxではnetvault-pgsql)。
Linuxユーザー名:対応するオペレーティング・システム・ガイドを参照して、新しいLinuxユーザー・アカウントを作成します。必ず、指定したPostgreSQL Linuxユーザーをグループ <ユーザー名> に所属させます。Linuxユーザー名と同じ名前のグループを作成し、ユーザーを同じグループに追加します。
メモ: PostgreSQL Linuxのユーザー・アカウントを作成する際、[Linuxユーザー名]フィールドでユーザー名「root」を使用しないでください。NetVaultでは、PostgreSQLからの制約があるため、ユーザー「root」でPostgreSQLを実行することはできません。

インストール前要件の確認

一般的な要件

インストール手順を開始する前に、以下の必要条件を満たしていることを確認します。

リリース・ノートと互換性ガイドの確認:インストール手順を開始する前に、リリース・ノートをよく読みます。リリース・ノートには、NetVaultのインストールおよび使用についての重要な情報が含まれている場合があります。
Quest NetVault互換性ガイド』を参照して、サポートされているプラットフォーム、オペレーティング・システムのバージョン、デバイス、およびアプリケーションのバージョンも確認する必要があります。このガイドは、https://support.quest.com/ja-jp/technical-documentsからダウンロードできます。
NetVaultサーバーおよびクライアントのオペレーティング・システム要件の確認:NetVaultサーバーはLinuxおよびWindows上にインストールできます。NetVaultクライアントは、AIX、FreeBSD、HP-UX、Linux、Mac OS X、Solaris、およびWindows上にインストールできます。
NetVault Server Sizing Guide』の確認:このガイドには、NetVaultサーバーのシステム要件に関する情報が記載されています。このガイドは、https://support.quest.com/ja-jp/technical-documentsからダウンロードできます。
LinuxおよびWindowsでの正しいインストール・パッケージの選択:NetVaultでは、LinuxおよびWindowsベースのシステム向けに、個別のクライアント専用およびサーバー専用インストール・パッケージを提供しています。サーバーおよびクライアント・パッケージの両方で、ハイブリッドおよび
64-bit専用バージョンを利用できます。
ハイブリッド・サーバーおよびクライアント・パッケージ:ハイブリッド・パッケージは、
Pure 64-bit専用の要件を満たしていないユーザーを対象にしています。
これらのパッケージにより、Pure 32-bitやNetVaultのハイブリッド・インストールからアップグレードすることができます。ハイブリッド・パッケージは、前のすべてのバージョンの32-bitおよび64-bitプラグインとバイナリ互換性があります。これらのパッケージは、64-bit機能がない32-bitシステム上でも動作します。
Pure 64-bit専用サーバー・パッケージおよびクライアント・パッケージ:Pure 64-bit専用パッケージは、Pure 64-bit専用オペレーティング・システム用です。32-bitコンポーネントを使用できない理由がある場合は(たとえば、32-bitコードを実行しないLinuxディストリビューションを使用している場合)、これらのパッケージを使用します。
Pure 64-bitパッケージを、既存のPure 32-bitまたはハイブリッドNetVaultインストールのアップグレードに使用することはできません。既存のPure 32-bitまたはハイブリッド・バージョンを削除して、Pure 64-bitバージョンを個別にインストールする必要があります。混乱を避けるために、アップグレード・パッケージとインストール・パッケージの両方に、これらの互換性がないことを知らせる警告のメッセージが追加されました。
オペレーティング・システムのタイプに応じて、必ず、NetVaultサーバー・ソフトウェアをインストールするための正しいインストール・パッケージを選択してください。
netvault-<RYYYYMMMDD>-vx.x.x.x-Server-{LinuxX86Hybrid|WindowsX86Hybrid}:このパッケージを使用して、NetVaultサーバーを32-bitまたは64-bitシステムにインストールまたはアップグレードします。
netvault-<RYYYYMMMDD>-vx.x.x.x-Server-{LinuxX86Pure64|WindowsX86Pure64}:このパッケージを使用して、NetVaultサーバーをPure 64-bitシステムにインストールまたはアップグレードします。
重要: 64-bitのLinuxマシンにNetVaultのハイブリッド・パッケージをインストールする前に、
必要なすべての32-bitライブラリがシステムにインストールされていることを確認します。要件についての詳細は、「プラットフォーム固有の要件」を参照してください。インストーラが必要なライブラリをシステム上で見つけられない場合、インストール・プロセスはメッセージを表示せずに失敗する場合があります。
OS権限の設定:ユーザーがソフトウェア・コンポーネントをインストールできるように、ターゲット・マシンで適切なOS権限を設定する必要があります。
LinuxおよびUNIXインストーラへの実行可能な権限の設定:LinuxおよびUNIXプラットフォーム上で、インストーラに実行可能な権限を設定します。
LinuxおよびUNIX上でのマルチユーザー・ランレベルの選択:LinuxおよびUNIXプラットフォームでは、マルチユーザー・モードで起動します。
LinuxおよびUNIX上でのユーザー権限(umask)の設定:LinuxおよびUNIXプラットフォームでは、rootユーザーのデフォルトのumask値を変更しないようにしてください。デフォルト値は、022です。umaskに022以外の値を指定した場合(たとえば、077)、プラグインのユーザーがNetVaultファイルにアクセスできないと、ジョブが失敗する可能性があります。
SELinux(セキュリティ強化Linux)ポリシーの確認:デフォルトの「ターゲット」ポリシーを使用してSELinuxを有効にしても、NetVaultプロセスが原因でアクセス・ベクトル・キャッシュ(AVC)の拒否の問題が発生することはありません。厳密なポリシーまたはカスタム・ポリシーを実装する場合は、NetVaultプロセスが制限のないモードで動作できることを確認します。
ウイルス対策ソフトウェアの無効化:NetVaultのインストールまたはアップグレードを行う前に、ウイルス対策ソフトウェアを無効にしておくことをお勧めします。ウイルス対策ソフトウェアを無効にしない場合、インストール処理がウイルス対策ソフトウェアと競合して、インストール後に、さまざまなNetVault操作が正しく機能しないことがあります。
TCP/IP接続の確認:NetVaultでは、サーバーとクライアント・マシンとの間に良好なTCP/IP接続が必要です。名前解決を使用するには、ホスト名が一意のIPアドレスに解決される必要があります。
ストレージ・デバイス接続の確認:ストレージ・デバイスが正常に接続され、動作していることを確認します。デバイスの接続は、ネイティブのOSツールを使用して、デバイスへの最小限のバックアップ
操作を行うと確認できます。
LinuxおよびUNIXでの「ulimit」変数の設定:LinuxおよびUNIXには、各種変数に対するデフォルトのサイズ制限があり、これがNetVaultのインストールを阻害する場合があります。たとえば、file size (blocks)およびvirtual memory (kbytes)変数のデフォルト設定はNetVaultにとって小さすぎる場合があります。

core file size (blocks)

32768

data seg size (kbytes)

unlimited

file size (blocks)

unlimited

open files

64

pipe size (512 bytes)

10

stack size (kbytes)

unlimited

cpu time (seconds)

unlimited

max user processes

400

virtual memory (kbytes)

unlimited

Linuxベース・マシンでのSCSI Generic(sg)ドライバのロード:Linuxベース・システムでは、NetVaultによってsgドライバが使用されて、テープ・デバイスに接続されます。テープ・デバイスをローカルに接続しているマシンでは、sgドライバを手動でロードするか、カーネル設定ファイルを編集してこのドライバをブート時に自動的にロードします。
このドライバをロードしないと、NetVaultは、ローカルに接続されているテープ・デバイスを認識できません。
Linux プラットフォームで必要なライブラリの確認:Linux プラットフォームに NetVault をインストールする場合は、システムに glibmm ライブラリと libicu ライブラリが存在することを確認します。

プラットフォーム固有の要件

次のセクションでは、すべての Linux マシンに適用される要件について説明します。

以下のセクションでは、特定の Linux プラットフォームの要件について説明します。

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