手順の概要としては以下の通りですが、既存のリカバリポイントをアップグレード後のエージェント登録情報と紐付けしない場合は、
項番2と項番6の作業は不要です。このとき全体の作業内容が簡易になります。
紐付けしない場合、項番5の作業後、Coreコンソール側でAppAssure Agent 5.4.3での登録情報をコンソール上にて削除します。
このとき既存のリカバリポイントを残すことができますが、表示箇所としてCoreコンソール左ペイン[リカバリポイントのみ]に移動します。
この場合、CentOSを再起動後に、Rapid Recovery Agent 6.1.3での登録情報を改めて追加する必要があります。
■1.事前準備事項
■2.AppAssure 5.4.3エージェントのAgentIDのバックアップ
■3.AppAssure 5.4.3エージェントのアンインストール
■4.Rapid Recovery6.1.3エージェントのインストール
■5.Linux マシンでの Rapid Recovery Agent の設定
■6.AgentIDの復元
■1.事前準備事項
事前に以下の点をご確認ください。
・Rapid Recovery Agent をアップデートした後は、最初に取得したスナップショットがベースイメージとなり、新しいリカバリポイントチェーンが作成されます。
・作業前にRapid RecoveryコアからLinuxのRapid Recoveryエージェントに接続するための認証ユーザを確認しておきます。
これはCentOS側で行います。
rootユーザでの接続は許可しておりません。
これまでお使いの認証ユーザ以外に変更する場合は、新たなユーザーを作成しておくなど事前に準備をしておきます。
・以下のrpmパッケージをCentOS上にダウンロードしておきます。OSのアーキテクチャに合わせ適切なものをダウンロードします。
デフォルトでは、/home/logon user name/ダウンロードに保存されます。このパスはGUI上の[場所]>[ホーム・フォルダ]>[ダウンロード]になります。
Download Rapid Recovery 6.1.3 Agent for CentOS 6 / Red Hat 6 Enterprise Linux (x86)
https://support.quest.com/ja-jp/download-install-detail/6080847
ファイル名:rapidrecovery-repo-6.1.3.100-rhel6-x86_32.rpm
Download Rapid Recovery 6.1.3 Agent for CentOS 6 / Red Hat 6 Enterprise Linux (x64)
https://support.quest.com/ja-jp/download-install-detail/6080848
ファイル名:rapidrecovery-repo-6.1.3.100-rhel6-x86_64.rpm
・AppAssureAgent5.4.3をインストールした時のスクリプト(AppAssure インストールスクリプト)がCentOS側のいずれかのパスに保存されていることを確認します。
もし削除してしまった場合は、以下のサイトからCentOS上にダウンロードしておきます。
Download AppAssure 5.4.3 Agent for CentOS 6 / Red Hat 6 Enterprise Linux (x86)
https://support.quest.com/ja-jp/download-install-detail/6021229
ファイル名:appassure-installer_rhel6_i386_5.4.3.5651.sh
Download AppAssure 5.4.3 Agent for CentOS 6 / Red Hat 6 Enterprise Linux (x64)
https://support.quest.com/ja-jp/download-install-detail/6021227
ファイル名:appassure-installer_rhel6_amd64_5.4.3.5651.sh
・以降で行う作業は、大文字と小文字を区別して行います。
・アップグレード後、初回のバックアップ時のリカバリポイントはベースで取得されます。
■2.AppAssure 5.4.3エージェントのAgentIDのバックアップ
新しいバージョンの Rapid Recovery Agent をインストールするための準備として AppAssure Agent を削除する場合は、マシンに関連付けられている固有の識別番号も削除する必要があります。
この操作によって、Core に保存されている保護対象の Linux マシンのリカバリポイントに接続できなくなります。
AppAssure Agent を削除する前に、Agent ID の値をバックアップすることができます。
次に、Rapid Recovery をインストールして、設定を復元することができます。
Agent ID の値をバックアップして後からそれを復元するには、次の手順を実行します。
1.AppAssure Agent を削除する予定のCentOS上で、root アクセスで端末セッションを開始します。
[アプリケーション]>[システムツール]>[端末]をクリックします。
[端末]が起動しますので、以下のコマンドを入力しEnterを押します。
su root
パスワードの入力を求められますので、rootのパスワードを入力し、Enterを押します。
認証が成功すると、root権限に切り替えされます。
2.pwdと入力しEnterを押します。
現在の作業デイレクトリが表示されます。
例)/home/logon user name
次のコマンドを入力して Enter を押します。
sudo cp -p /root/.mono/registry/CurrentUser/software/apprecovery/agent/agentid/values.xml ~/values-backup.xml
3.ユーザー固有の Agent ID を含む、values-backup.xml という名前のファイルが
指定された場所(pwdコマンドで確認した作業ディレクトリ)に保存されます。
■3.AppAssure 5.4.3エージェントのアンインストール
注: 次の手順は、32 ビットと 64 ビットの両方の環境に共通です。
32 ビット CentOS システムの場合は、次の手順のファイル名内の表記「amd64」が「i386」に変わります。
1.root アクセスで端末セッションを開始します。
AppAssure インストールスクリプト(Questサイトからダウンロードしたappassure-installer_rhel_amd64_5.4.3.5651.sh)が含まれているディレクトリに移動します。
例: cd /home/admin/ダウンロード
2.次のコマンドを実行して、ビルド番号を指定して変更します。
./appassure-installer_rhel_amd64_5.x.x.xxxxx.sh -u
たとえば、Agent バージョン 5.4.3. 5651 をアンインストールする場合、変更後のコマンドは次のとおりです。
./appassure-installer_rhel_amd64_5.4.3.5651.sh -u
3.システムによって、AppAssure Agent のファイルとディレクトリが削除されます。
このプロセスが完了すると、Agent ソフトウェアはシステムから削除されます。
■4.Rapid Recovery6.1.3エージェントのインストール
Rapid Recovery Agent の .rpm ファイルは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)、
CentOS、または Oracle Linux に固有のリポジトリ情報を含むアーカイブです。
これらのディストリビューションでは、yum パッケージマネージャを使用します。
RHEL、CentOS、または Oracle Linux で Rapid Recovery をインストールするには、次の手順を実行します。
注: この手順は、インターネットに接続されている Linux マシンに適用されます。
1. root アクセスで端末セッションを開始します。
2. pwd と入力して Enter を押し、現在の作業ディレクトリを確認します。
たとえば、現在の作業ディレクトリが /home/logon user name/ であるとします。
rpmパッケージをダウンロードしておいたパスへ移動します。
たとえば、/home/logon user name/ダウンロード(GUI上の[場所]>[ホーム・フォルダ]>[ダウンロード])に保存されている場合は、以下のコマンドにて移動します。
cd /home/logon user name/ダウンロード
3.お使いの Linux マシンと、Questソフトウェアおよびコンポーネントが保存されているリモートの
Rapid Recovery ソフトウェアリポジトリとの間で永続的な接続を確立するには、次のコマンドを入力します。
rpm -ivh
たとえば、ディレクトリ /home/logon user name/ダウンロード/に rapidrecovery-repo-6.1.3.100-rhel6-x86_64.rpmという名前のインストーラファイルがある場合は、
次のコマンドを入力して Enter を押します。
rpm -ivh rapidrecovery-repo-6.1.3.100-rhel6-x86_64.rpm
4. yum パッケージマネージャを呼び出し、リポジトリマネージャをアップデートして、Rapid Recovery Agent をインストールします。
次のコマンドを入力して Enter を押します。
yum clean all
5. Rapid Recovery Agent ソフトウェアをインストールするようパッケージマネージャに指示します。
次のコマンドを入力して Enter を押します。
yum install rapidrecovery-agent
6. パッケージマネージャにより、すべての依存ファイルのインストール準備が行われます。
指定されていないファイルのインストールを確認するプロンプトが表示される場合は、y を入力して Enter を押します。
Rapid Recovery Agent のファイルがインストールされます。
■5.Linux マシンでの Rapid Recovery Agent の設定
Linux マシンに Rapid Recovery Agent ソフトウェアをインストールしたら、Rapid Recovery の設定ユーティリティを実行します。
これを実行することで、Linux マシン上でカーネルモジュールがコンパイルおよびインストールされます。
Linux マシンで Rapid Recovery Agent ソフトウェアを設定するには、次の手順を実行します。
一部の設定オプションは、インストールしている Linux ディストリビューションごとに異なります。
1.root アクセスで端末セッションを開始します。
2.次のコマンドを入力して Enter を押し、設定ユーティリティを起動します。
sudo /usr/bin/rapidrecovery-config
設定ユーティリティが開始します。開始すると複数の設定オプションがリストされます。
これらには、適切な設定手順を選択するための入力用インデックス番号が付いています。
3.次のコマンドを入力して Enter を押し、この保護対象マシンのポートを設定します。デフォルトポートは 8006 です。
1
たとえば、デフォルトポートを使用する場合は、次のコマンドを入力します。
1 8006
4. 次のコマンドを入力して Enter を押し、保護機能を使用できるユーザーを設定します。
2
たとえば、ユーザー名が michael である管理者とユーザー名 test_user1 を使用する場合は、次のコマンドを入力します。
2 michael,administrator,test_user1
5. ファイアウォールのルールを設定するには、ファイアウォールのコンフィグレーションマネージャを選択します。
これにより、ステップ 1 で指定されたポート用のファイアウォールの例外が設定されます。
ユーティリティが 1 つまたは複数のファイアウォールのコンフィグレーションマネージャ(lokkit や firewalld など)を検知した場合は、
ユーティリティの 3 行目に各ファイアウォールがリストされます。
適切なコンフィグレーションマネージャを選択して入力し、コマンド番号 (3) で開始して Enter を押します。
3
たとえば、lokkit を使用している場合は、次のコマンドを入力します。
3 lokkit
※CentOS6.xではlokkitが使用されているはずです。
6. コマンド番号を入力して Enter を押し、ユーティリティから互換性のあるカーネルモジュールをリストするように問い合わせます。
4
インストールで互換性のあるすべてのカーネルモジュールが返されます。たとえば、次のような内容にて返されます。
Searching for all available for installation kernels.
This might take a while, depending on the Internet connection speed.
Kernels compatible for module installation:
0 - linux-image-3.16.0.23-generic
1 - linux-image-3.16.0.31-generic
2 - linux-image-3.16.0.33-generic
3 - linux-image-3.16.0.34-generic
Input indices of the kernel modules you wish to install, delimited by space; use 'all' to install into all supported kernels, or 'q' to quit.
7. 今回は全てのカーネルモジュールをインストールしますので、all を入力して Enter を押します。
8. 新しくインストールされた Agent ソフトウェアの設定が完了したら、マシンを再起動します。
[システム]>[シャットダウン]>[再起動]より実行できます。
再起動により、マシンを保護するための適切なカーネルドライバが使用されていることが保証されます。
このプロセスが完了すると、その Linux マシン上でローカルリポジトリが設定されます。
Agent ソフトウェアがインストールされ、カーネルモジュールがロードされます。
■6.AgentIDの復元
次のコマンドを入力して Enter を押し、values-backup.xml ファイルを新しい場所にコピーします。
sudo mv ~/values-backup.xml /root/.mono/registry/CurrentUser/software/apprecovery/agent/agentid/values.xml
rapidrecovery-agent サービスを再起動するか、マシンを再起動します。
これで、そのマシンの元の Agent ID がアップデート後の Rapid Recovery Agent ソフトウェアに関連付けられました。
Rapid Recovery Core でマシンが表示されるかどうか確認します。
マシンが表示されない、最新の情報を取得してこない場合は、以下の手順を行います。
-Core側にて保護設定の上書処理を行う手順
1.Coreコンソール上方、[保護]>[マシンの保護]を押し、マシン保護ウィザードを起動します。
2.[ようこそ]画面にて[一般]がオンになっていることを確認し、[次へ]を押します。
※[ようこそ]画面が表示されない場合は、3に進みます。
3.[接続]画面にて以下を入力します。
ホスト名:エージェント側マシンのIPアドレス、もしくはコンピュータ名
ポート:8006(デフォルト)
ユーザー名:保護対象マシンの管理者ユーザー名
パスワード:上記のパスワード
4.[保護]画面にて[現在の設定を保持する]がオンであることを確認し、[完了]を押します。
5.保護対象マシンがCore側でオンラインにて認識されます。最新の情報を取得していることを確認します。
例)サマリタブにて、バージョン情報が6.1.3.00を表示している