この文書ではシステム導入アプライアンス(SDA)のシステムイメージの2つの形式の違いについて説明します。
SDAがシステムイメージをキャプチャ・展開する形式としてK-Image形式とWIM形式があります。
WIM | K-Image | |
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導入 | K2000 v3.4以降(正式にはv3.5)で追加 | 最初から |
格納形式 | WIFに基づく Windows イメージング (WIM) ファイル形式 | 取り込んだファイルを個別に識別してデータストアに格納。 |
重複排除 | なし | ファイルベースの重複排除。 |
サーバークライアント間の転送方式 | WIMファイルをやり取りします。 | ファイルを一つずつ管理しながら転送します。 そのため送り先に同じファイルが少ない場合には時間がかかります。 |
キャプチャ時の特性 | デバイス側で、ボリューム毎に1つのWIMファイルにまとめてからSDAへ送信します。 キャプチャするごとに回数分のSDAデータストアの容量を使用します。 | 同じような構成の複数のデバイスからイメージを取り込んだ場合、すでに格納済みのファイルと内容が一致していればそのファイルについてSDA側では新たな容量を消費しません。 そのため、複数のK-Imageが格納されていてもイメージの個数分の容量を消費することを意味しません。 2回目以降のキャプチャでは、必ずしもすべてのファイルの転送をする必要がなくなるためキャプチャが若干高速になる傾向があります。 |
展開時の特性 | ボリュームの中身を格納するWIMをデバイス側に転送してから抽出して書き込むため高速な展開が見込めます。 パーティションをフォーマットするプレインストールタスクを割り当てて展開する必要があります。 SDAマルチキャスト展開はWIM形式のイメージのみがサポートされます。(シングルパーティションのイメージのみ) | 書き込み対象のボリュームにたいして差分展開が行われます。 宛先へのファイルの有無・同一性を確認しながらファイルを転送するか判断するため宛先をフォーマットして配布する用途(1イメージを多数の新規デバイスへ配布する)では時間がかかる傾向があります。 他方で、宛先パーティションの初期化が不要な展開(既存環境から大きく構造が変わらない状態に戻す)においては差分展開の仕組みにより転送にかかるリソースが節約され速くなります。 |
イメージの編集 | SDAの管理画面からファイル内容の参照、変更を行うことができます。 (v5.0以上で機能追加 ESMEA-545) | SDAの管理画面からファイル内容の参照、変更を行うことができます。 |
ディスク容量消費 | デフォルト動作では、キャプチャにおいて、WIMファイルにまとめる作業をデバイスの空き領域を一時領域として使用します。そのためキャプチャされるイメージのボリューム上でのサイズの2倍の空き容量を持つ内蔵ストレージを使用します。展開においても同様にWIMファイルの転送・抽出の処理を行うためにイメージサイズの2倍のサイズのボリュームを使用します。 ただし、 ストリーミングオプション(展開時: "サーバーから直接展開"、キャプチャ時: "サーバーに直接キャプチャ" )が適用されることで速度は遅くなりますがストレージの空き少ないシステムでもイメージング作業を行えるようになっています。 | 1つずつファイルを転送するため一時的な領域を必要としません。 重複排除によりサーバー上でもデバイス側でも容量の消費を抑えられる傾向があります。 |
用途別 | 同一のシステムイメージを多くの台数に短時間で展開したい用途では、単一ファイルとして転送するWIM形式を使用することをお勧めします。 (主に社員向け新PCのキッティング) | ハードディスク初期化せずに展開する場合には必要なファイルのみ転送されるため、ネットワーク帯域を節約もできます。 それぞれのデバイスの初期状態に復旧させる目的ではK-Imageで(Sysprepをしない状態で)キャプチャしておくことでアプライアンス上に保持するシステムイメージの容量が節約できます。 システムイメージの内容の参照や編集を頻繁に行う必要があり、展開する回数が少ない場合にも K-Imageの利用が向いています。 (配布先がキャプチャ元と同一となるような場合: マスター作成マシン、 トレーニング用マシンなどを使用後に元の状態に戻す使い方) 注意: Sysprepしないで取得したイメージを取得元と異なるデバイスへ展開することはMicrosoftのライセンス上の問題があります。 |