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NetVault Plug-in for FileSystem 11.4.5 - ユーザー・ガイド

前書き プラグインのインストール プラグインの設定 データのバックアップ データのリストア トラブルシューティング

システム状態バックアップについて

システム状態バックアップは、システム障害発生時に正しく機能するシステムを復元するために必要な、重要なシステム・データがバックアップされます。これらのバックアップは、Windowsベースのシステムのみをサポートしています。システム状態データには、以下のコンポーネントが含まれます。

システム状態データのバックアップには、VSSバックアップを利用することをお勧めします。特定のシステム状態コンポーネントは、バックアップ・タイプにかかわらず、常にフル・バックアップされます。バックアップまたはリストア・ジョブには、すべてのシステム状態コンポーネントを含める必要があります。

メモ: クラスタ環境では、バックアップ後に共有クラスタ・ディスクを変更すると、システム状態のリストア時にディスク署名情報が必要な場合があります。ディスク署名情報は、Windowsのdumpcfg.exeユーティリティを使って取得できます。このツールについての詳細は、関連するWindowsドキュメントを参照してください。

マルチストリーム・バックアップについて

NetVault Backup Plug‑in for FileSystemでは、大量のデータをバックアップするときにマルチストリーム動作を実行するための設定ができます。マルチストリーム・バックアップは、パラレル・ストリームでデータを転送することで、バックアップ性能を向上させています。

マルチストリーム・バックアップでは、プラグインがバックアップ選択設定を小さな選択グループに分割し、別の子プロセスを使用して分割した選択グループを並列バックアップします。

マルチストリーム・オプションを使用して、以下を実行することができます。

プラグインが各ジョブに対して使用可能なパラレル・データ・ストリームの最大数を指定できます。プラグインで可能なパラレル・ストリームは最大8つです。

バックアップおよびリカバリ戦略

適切なバックアップ計画を策定しておくことで、障害が発生した場合でも正常にリカバリして、すばやく日常運用を再開できるようになります。データのバックアップを開始する前に、メディア障害、データ損傷、ユーザー・エラー、データ・センター全体の完全な消失など、さまざまな障害/事態を想定した適切な計画を策定する必要があります。

一般的にバックアップ計画には、使用するバックアップ手段、バックアップの実行時期と間隔、バックアップの保管方法、バックアップの保持期間、バックアップ・メディアの再利用方法を定義する必要があります。

ガイドラインとして、以下に、バックアップ・シーケンスの例をいくつか示します。

フル・バックアップのみ:バックアップ・サイズが小さい、バックアップ・ウィンドウは重要ではない、またはストレージ・メディアの制約がない場合は、フル・バックアップのみを実行することができます。このようなシナリオの場合、フル・バックアップのタイミングを、更新頻度に応じて、毎晩またはN時間ごとに設定することができます。
フル・バックアップと増分バックアップ:短時間でバックアップを行い、ストレージ・メディアの消費を最低限に抑えるには、フル・バックアップと増分バックアップを計画に含めることができます。たとえば、データの更新頻度に応じて、毎週日曜日にフル・バックアップを実行し、毎日またはN時間ごとに増分バックアップを実行するようにスケジュールできます。
フル・バックアップと差分バックアップ:短時間でバックアップを行い、メディアの消費を減らすには、フル・バックアップと差分バックアップを計画に含めることができます。たとえば、データの更新頻度に応じて、毎週日曜日にフル・バックアップを実行し、毎日またはN時間ごとに差分バックアップを実行するようにスケジュールできます。
Windowsシステム状態バックアップ:Windowsのシステム状態バックアップには、以下のいずれかの手段を採用することができます。
ポリシー・ベースのバックアップ:LinuxおよびUNIXクライアントでrootディレクトリをバックアップするポリシー、およびWindowsクライアントですべての固定ドライブとシステム状態をバックアップするポリシーを、企業レベルで作成することができます。バックアップ・ポリシーについての詳細は、『Quest NetVault Backupアドミニストレーターズ・ガイド』を参照してください。

フル・バックアップの実行

1
[ナビゲーション]パネルで[バックアップ・ジョブ作成]をクリックして、設定ウィザードを開始します。
[ガイド付き設定]リンクからウィザードを開始することもできます。[ナビゲーション]パネルで、[ガイド付き設定]をクリックして、次に[NetVault設定ウィザード]ページで[バックアップ・ジョブ作成]をクリックします。
2
[ジョブ名]に、ジョブの名前を入力します。ジョブの進行やデータのリストア状態を監視する際に識別しやすい、分かりやすい名前を割り当てます。
3
[セレクション]リストで、既存のバックアップ・セレクション・セットを選択するか、以下の手順に従ってセットを作成します。
a
[新規作成]をクリックして、[NetVault Backupセレクション]ページを表示します。
b
NetVault Backupマシンを開いて、[ファイル・システム]を開きます。
システム全体をバックアップする場合:LinuxおよびUNIXシステムで、rootノード(/)を選択します。
Windowsで、[固定ドライブ]ノードを選択します。リムーバブル・ドライブのデータをバックアップする場合は、[リムーバブル・ドライブ]ノードを選択します。
個別のアイテムをバックアップする場合:親ノードを開きます。ディレクトリ・ツリーを参照して、バックアップするアイテムを探します。
子アイテムを除外する場合:選択した親ノード内のファイルやディレクトリを除外するには、該当するチェック・ボックスをクリックしてチェック・マークを×印に変更します。
d
[保存]をクリックして、[新規セットの作成]ダイアログ・ボックスにセットの名前を入力します。[保存]をクリックしてダイアログ・ボックスを閉じます。
4
[プラグイン・オプション]リストで既存のバックアップ・オプション・セットを選択するか、以下の手順に従ってセットを作成します。
a
[新規作成]をクリックして、[File System Pluginバックアップ・オプション]ページを表示します。

バックアップ方式

[バックアップ方式]で、適切なオプションを設定します。

[標準]:ネイティブ・ファイル・システムのバックアップを実行するには、[標準]を選択します。LinuxベースおよびUNIXベースのシステムでは、標準バックアップ方式のみを使用できます。
[Volume Shadow Copy Service(VSS)]:VSSベースのバックアップを実行するには、このオプションを選択します。このバックアップ方式は、Windowsベースのシステムでのみ利用できます。

バックアップ方式についての詳細は、「バックアップ方式について」を参照してください。

バックアップ・タイプ

[バックアップ・タイプ]で、[フル]を選択します。

バックアップ・タイプについての詳細は、「バックアップ・タイプについて」を参照してください。

切り捨てられたファイルを無視

Storage Managerでは、切り捨てポリシーを実行して、データ・ブロックをプライマリ・ストレージから移動してディスク容量を解放できます。Storage Managerは、切り捨て条件を満たすファイルをプライマリ・ストレージからストレージのアーカイブ階層へ移動し、これらのファイルにWindowsオフライン属性を設定します。切り捨てポリシーに応じて、Storage Managerは、ファイルが切り捨てられたときにディスクにスタブ・ファイルを残します。

[切り捨てられたファイルを無視]チェック・ボックスを選択した場合、Plug‑in for FileSystemはフル、増分、および差分

バックアップ時にオフライン・ファイルを除外します。

このチェック・ボックスが選択されていない場合、Storage Managerは、プラグインがスタブ・ファイルの読み取りを試みたときに、アーカイブ階層から切り捨てられたファイルを取得します。重複排除されたファイルは、このプロセス中に元に戻されます。

アーカイブされた切り捨てられたファイルは、リストア時には表示されません。

バックアップ中に変更されたファイルを確認

バックアップ中に変更されたファイルをマークするには、このチェック・ボックスを選択します。リストア時に、デフォルトでそれらのファイルはリストアされません。これらのファイルをリストアするには、リストア・オプション・セットで[バックアップ中に変更されたファイルをリストア]オプションを設定する必要があります。

バックアップ中に更新されたファイルをチェックしない場合は、このチェック・ボックスの選択を解除します。

[バックアップ中に変更されたファイルを確認]オプションは、VSSバックアップ方式では無効です。

マウント・ポイントを使用してバックアップ

このチェック・ボックスは、Windowsでのみ利用できます。これはデフォルトで選択されています。

NTFSマウント・フォルダ上のデータをバックアップしない場合は、チェック・ボックスの選択を解除します。

リモート・マウントを使用してバックアップ

このチェック・ボックスは、LinuxおよびUNIXでのみ利用できます。デフォルトでは選択されていません。マウントされたファイル・システム上のデータをバックアップする場合は、このチェック・ボックスを選択する必要があります。

ロック済み強制ロック・ファイルを確認してスキップ

システム上で強制ロック機能が有効になっているかどうかをチェックする場合は、このチェック・ボックスを選択します。

強制ロック機能が有効になっている場合、このプラグインはファイルをバックアップする前にファイルのロックを試行します。ファイルをロックできない場合は、そのファイルをスキップします(たとえば、他のアプリケーションがファイルをロックしている場合、プラグインはそのファイルをバックアップ対象としてロックできないため、そのファイルはスキップされます)。

このチェック・ボックスは、LinuxシステムおよびUNIXシステムでのみ利用できます。

再開できるバックアップを有効化

ジョブを一時停止して、後ほどその時点から再開する機能を利用する場合は、このチェック・ボックスを選択します。

ジョブを停止すると、その時点までに処理されたすべてのアイテムのインデックスが生成され、バックアップ・メディアとNetVaultデータベースに書き込まれます。次にジョブ・ステータスが[ジョブは停止しました]に設定されます。プラグインが大きなバックアップ・インデックスを書き込んでいる場合、ジョブ・ステータスは継続的に「メディアへ書き込み中:バックアップ・インデックスの保存中」と報告されます。後でジョブを再開すると、残りのファイルとフォルダに対して増分バックアップ・ジョブが実行されます。

ジョブの停止、再開は、[ジョブ・ステータス]ページから行えます。詳細は、「ジョブの停止」および「ジョブの再開」を参照してください。

バックアップ・ログのパス

バックアップ・ログ・ファイルを作成する場合に、ファイル名を入力します。このログには、バックアップ対象として選択されたファイルの一覧が記録されます。正常にバックアップされたファイルには「o」、それ以外のファイルには「x」マークが付けられます。増分バックアップでこのオプションを使用すると、どの新規/変更ファイルがバックアップされたかを識別することができます。既存のファイル名を指定した場合、既存のファイルは上書きされます。ログ・ファイルはCSVファイル形式で作成され、ファイル・サイズ、変更日、ファイル・タイプなどの詳細が含まれています。

バックアップ中に複数のストリームを活用する

デフォルトで、プラグインは1つのバックアップ・ジョブに付き1つのデータ・ストリームを生成し、選択したアイテムを順番にバックアップします。

このオプションを使用して、マルチストリーム・バックアップを実行できます。詳細については、「マルチストリーム・バックアップについて」を参照してください。

このチェックボックスを選択すると、プラグインがバックアップ選択セットを複数の選択グループに分割します。セットに含まれる各ボリュームとネットワーク・シェアに対して選択グループを作成し、別の子プロセスを使用して選択グループのパラレル・バックアップを実行します。

単一ボリュームに対して別の選択グループを作成し、複数のストリームを使用してデータをバックアップするようプラグインを設定することもできます。詳細は、「大量の単一ボリュームをバックアップする場合に経験則を使用する」を参照してください。

ジョブ別に最大同時ストリーム数を指定することができます。[最大同時ストリーム数]の設定により、同時にバックアップされる選択グループの数が決定されます。

最大同時ストリーム数

[最大同時ストリーム数]オプションに設定した値は、クライアントで同時に開始される子プロセスの数を決定します。たとえば、6つの選択グループがあり、このオプションが4に設定されている場合、4つの子プロセスがクライアントで開始されます。バックアップ・デバイスおよびメディアを取得した後、子プロセスはバックアップ・ストリームを生成し、選択グループ内のアイテムをバックアップします。ある子プロセスがタスクを完了すると、別の子プロセスが開始され、次の選択グループをバックアップします。このプロセスは、すべての選択グループがバックアップされるまで続行されます。

子プロセスは、バックアップ・デバイスおよびメディアを取得できない場合、バックアップ・デバイスおよびメディアが使用可能になるまで「メディア待ち」状態のままになります。たとえば、4つの子プロセスで2つのテープ・デバイスのみが使用可能な場合、デバイスおよびメディアを取得できるプロセスはデータのバックアップを即座に開始しますが、その他のプロセスはデバイスおよびメディアが使用可能になるまで待ち状態のままになります。

このオプションは、ジョブが実行されているクライアントの機能と、ジョブで使用可能なデバイスの数に従って設定することをお勧めします。デバイスおよびメディアを取得できないと、ジョブが遅延する可能性があります。また、1つのプロセッサを使用して複数の同時プロセスをシステムで実行すると、システム・パフォーマンスが低下する可能性があります。

デフォルトで、プラグインはマルチストリーム・ジョブとして設定された2つのストリームをバックアップに使用します。プラグインで可能なパラレル・ストリームは最大8つです。

 

以下の点に注意します。

大量の単一ボリュームをバックアップする場合に経験則を使用する

大量ボリュームをバックアップする際、プラグインで同時にデータを複数の選択グループに分割し、複数のパラレル・ストリームでグループをバックアップすることができます。

選択グループの決定に使用される条件は、以下のとおりです。

選択グループを特定後、プラグインが子プロセスを作成して各選択グループをバックアップします。各子プロセスは、同じ基準を使用して、個別のストリームで機能を発揮するバックアップの部品を特定します。現在のストリーム数が最大ストリーム数に到達していない場合は、プラグインがサブグループをバックアップする新しい子プロセスを割り当てます。そうしない場合は、現在のストリームを使用してサブグループをバックアップします。

増分バックアップでは、トップレベルの選択グループのみが個々のデータ・ストリームを使用します。子プロセスは選択グループの分割は行いません。

マウント・ポイントを交差する場合は常に新しいストリームを使う

このチェックボックスを選択すると、プラグインが個々のストリームを使用して、ボリュームに存在するマウント・ポイントをバックアップします。

このオプションは、[大量の単一ボリュームをバックアップする場合に経験則を使用する]オプションと併用できます。

e
[保存]をクリックして、[新規セットの作成]ダイアログ・ボックスにセットの名前を入力します。[保存]をクリックしてダイアログ・ボックスを閉じます。
メモ: マルチ・ストリーム・バックアップを実行するときは、[バックアップを必ずターゲット・メディアの先頭に書き込み]チェック・ボックスを選択しないでください。マルチ・ストリーム・バックアップでこのチェック・ボックスをオンにすると、各データ・ストリームでは別々のメディアがターゲットとなり、そのメディア・アイテムで最初のバックアップとして存在することになります。バックアップで5つのストリームが生成される場合は、5つのブランク・メディア・アイテムまたは新しいメディア・アイテムの取得がジョブによって試されます。

このオプションはディスク・ベース・ストレージ・デバイスには適用されません。

6
ジョブ実行をスケジュールするには、[保存 & 実行]をクリックします。[ジョブ・ステータス]ページではジョブの進捗をモニタしたり、[ログ]ページではログを参照表示することができます。
スケジュールしないでジョブ定義を保存するには、[保存]をクリックします。このジョブは、[ジョブ定義管理]ページから、表示、編集、または実行することができます。実行しない限り、[ジョブ・ステータス]ページにこのジョブは表示されません。
[ジョブ・ステータス][ログ参照][ジョブ定義管理]についての詳細は、『Quest NetVault Backupアドミニストレーターズ・ガイド』を参照してください。
関連ドキュメント

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