この記事では KACE Systems Management Applianceを v9.1からv10.0へアップグレードする手順を説明します。
リリースノート
KACE Systems Management Appliance 10.0 Release Notes
新機能と強化点、廃止される機能、解決済みの問題、既知の問題、システム要件、アプライアンスの更新等
技術仕様 ( Technical Specifications for Virtual Appliances)
仮想化インフラストラクチャ要件(Virtualization Infrastructure Requirements)
ESXi 6.7以上(FreeBSD 12.0のため) 、Windows Server 2012 R2, Windows Server 2016 / Windows Server 2019 のHyper-V
サーバーの最小バージョン: 9.1.318
エージェントの最小バージョン: Agent 7.1.62 (サポートされない組合せのアップデートは 【補足】 参照)
サーバーバージョンが前提を満たしていない場合、満たすように先に更新をしてください。
参考記事: KACE システム管理アプライアンスを複数前のバージョンからアップグレードするパスについて (155574)
バックアップファイルの取得
バージョンアップ作業前にはKACE SMAのメンテナンスバックアップによる直近のバックアップをKACE SMA外部に保存しておくことを強く推奨します。
KACE SMA上でのバックアップデータの作成は、毎日夜間のメンテナンス時刻で行われておりますのでFTPまたはブラウザから直近のファイルを外部にダウンロードするのみです。
(単一組織SMAの場合) 設定→「バックアップと復元」に移動します。
(複数組織SMAの場合) 組織をシステム に切り替えて 設定→「バックアップと復元」に移動します。
オフボード転送を設定してバックアップファイルを安全な場所に保管している場合、以下の作業は不要です。
以下のファイルを取得します。
差分バックアップのダウンロード: yyyymmdd_k1_incr_version_YYYYMMDD.tgz
詳細は次の記事をご確認ください:
手動でK1000のバックアップを行いバックアップファイルを取得する方法 (176568)
バックアップファイルを自動で指定のディレクトリに転送する方法 (260737)
KACE SMAでは一度上げたバージョンを直接ダウングレードすることはできません。詳細については以下の記事をご確認ください。
** バージョン10.0へのアップグレード後すぐにバージョン10.1へのアップグレードを行う場合にはこの項目をスキップしても構いません。10.1へのアップグレード後に同じ作業を実施してください。**
本リリースからパッチエンジンが内製化され(Ivanti社のコンポーネントに依存しなくなりました)、パッチカタログが変更されました。
それに伴い、これまでパッチ機能に関連して作成・使用していたラベルやレポートが10.0アップグレード後には機能しなくなる可能性があります。
参考リンク:
バージョン10.0で非推奨となるパッチ管理のアイテムについて … 機能しなくなるアイテムについての対処方法を説明しています。
1. Proxy等でホワイトリストによる許可をしている場合、必要なURLが許可されていることを確認します。
KACEシステム管理アプライアンス(SMA)を機能させるために必要なネットワークポートおよびURL … Patchカタログ取得のURLに変更があります。
2. 必須 パッチダウンロード設定を見直してカタログのダウンロードの完了を待ちます。 10.0へのアップグレード後、パッチ署名ダウンロードを最低1度は完了する必要(定期実行/今すぐ実行 いずれでも可)があります。(一日近くかかる場合があります)
パッチ管理のマイグレーションレポートの作成方法 … 移行ができていないアイテムを探すツール(kbin)を紹介しています。
4. パッチスマートラベルおよびレポートの動作を確認します。
SMA v10.0以上でのパッチスマートラベル と作成例 (310473)
バージョン更新用ファイル(.kbin)の入手
以下のページにアクセスし、画面上の サインイン からサインインします。サインインパスワードがわからない場合、パスワードのリセットを実施ください
最新リリースのダウンロード https://support.quest.com/ja-jp/download-product-select
検索欄にて、KACE Systems Management Appliance を検索して選択します。 その後、製品バージョン を選択して各ファイルのダウンロードを実施します。
10.0 サーバー更新ファイル: k1000_server_10.0.290.kbin
10.0 エージェント更新ファイル(Agent Bundle) : k1000_agents_10.0.113.kbin
サーバー v10.0.290 へのアップグレード
SMAサーバーの管理コンソールにadminユーザーでログイン後、下記の項目へと進みます。
現在のバージョン が 9.1 を満たすことを確認します。
更新を開始します。
使用可能な更新 が 10.0.290 となっている場合には [今すぐ更新]ボタンを押します。
使用可能な更新 が 10.0.290 となっていない場合 または 無し の場合、手動更新 にて、サーバー更新ファイル: k1000_server_10.0.290.kbin を指定して 更新 を押します。
この間、手動でのSMAサーバーの再起動・停止/電源停止等は実施しないでください。
Webブラウザから管理インターフェース画面の利用が可能になりましたら使用許諾の確認が表示されます。
ログイン後、画面右側の ”サポートが必要な場合” のバーをクリックし、表示される情報アイコンをクリックして、 バージョン の表示が 10.0.290 となったことを確認してください(ログイン前にも画面下部に表示されます)。
以下のメッセージがダッシュボードに表示されることがありますが更新後の初回のバックアップ後に発生しなければ問題はありません。
'緊急: 1つまたは複数のエラーが発生したためK1000の日ベースのバックアップが失敗しました:「ベースバックアップ」ファイルが存在しません。「増分バックアップ」が存在しません。購入したばかりのK1000では、最初のバックアップが実行されるまでこれらのメッセージが表示されます。このメッセージが表示され続ける場合は、サポートにお問い合わせください。'
エージェントの10.0.113 への自動更新
自動でエージェントバンドルがダウンロードされた場合には以下のバンドル更新・確認の手順から実施します。 エージェントバンドルファイルを手動でアップロードする場合の適用の手順.から実施します。
エージェントバンドルを更新します。
バージョン情報の確認 エージェント:使用可能なバージョンが 10.0.113 となっていることを確認します。
バンドルの適用
エージェントのアップデート を開きます。
通知更新 にて アップデートの削除 をクリックします。登録済みのバンドルが削除されます。
エージェントバンドル 10.0.113 が利用可能な場合には [適用] を押します。 エージェントバンドルファイルを使用する場合、 バンドルされたエージェントファイル(.kbin) からエージェントバンドルファイル k1000_agents_10.0.113.kbin を選択してアップロードします。
通知更新 の エージェントバージョン が 10.0.113 になったことをご確認ください。
登録済みのデバイスエージェント更新 (後からでも結構です)
設定|プロビジョニング|エージェントのアップデート へ移動し、エージェント設定の有効欄にチェックが入っていることを確認します。
「すべて」のチェックあるいは個別デバイスおよびラベル指定したマシンが設定されていますと 対象のマシンへの更新がスケジュールされます。 エージェントソフトウェアが更新されると、デバイスインベントリの エージェントのバージョン に新しいバージョンが反映されます。
エージェントからサーバーに接続されていればチェックインの周期で更新がおこなわれますが、念のため一晩程度お待ちください。
台数が多い場合にはネットワークへの負荷が懸念されます。一度にすべてのマシンに更新をするのではなくラベル等で指定して順次更新を進めるよう調整ください。 (1台あたりWin:60MB,Mac:43MB,RHEL:40MB程度の転送が発生します)
重要: パッチ管理機能 (セキュリティ | パッチ管理) を使用している場合、パッチスケジュールを走らせる前に 「【重要】パッチ管理機能を使用している場合の注意点」で説明している作業を必ず実施してください。
メモ: 10.0でのパッチ検出では 8202エラー発生することが知られています。10.1以上に更新しないでパッチスケジュールを使用する場合 以下の記事にて添付されている hotfixをダウンロードして適用してください。
Patching Enhancement Bundle for KACE SMA 10.0 (312512)
https://support.quest.com/ja-jp/kb/312512
更新手順は以上となりますが アップデート後のタスク として「正常に完了していることの確認」「セキュリティ設定の確認」を実施いただくことをお勧めします。
既存動作中のエージェントが更新後バージョンのサーバーで最小要件未満のバージョンの場合、自動更新によるアップデートは保証されません。(テクニカルサポートでは動作する前提でのトラブル対応は致しません)
アップグレード前にサポート対象バージョンへ更新していただくか、それが困難な場合、サーバーアップグレード後に手動あるいはKACE以外の仕組みでの更新をご検討ください。
(1) Agent msiとmsiexecコマンドを使用して手動でインストールする
msiexec /qn /i ampagent-x.x.xxx-x86_K1000Webサーバー名.msi
あるいは
msiexec /qn /i ampagent-x.x.xxx-x86.msi HOST=K1000Webサーバ名
(2) 何らかのツールを使用してリモートでのインストールを行う
PSTools/PSexec を利用してKACE エージェントを遠隔操作する方法 (148209)
(3) ActiveDirectoryのGroupPolicyを使用する
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