以下に、SQL Server®のデータ保護要件を満たすために実装できる、複数のリストア・シナリオに対応可能なバックアップ・シーケンス例をいくつか示します。
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フル・データベースのバックアップのみ:要件で前日までのデータ保護が保証されている状況で、以下の1つ以上の条件に該当する場合、フル・データベースのバックアップを毎晩実行すれば十分です。 |
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フル・データベースのバックアップと差分データベースのバックアップの併用:要件で前日までのデータ保護が保証されており、バックアップを迅速に実行する必要がある場合、フル・データベースのバックアップと差分データベースのバックアップを組み合わせたバックアップ戦略が有効です。たとえば、フル・データベースのバックアップを毎週日曜日の夜11:00に実行し、差分データベースのバックアップを月曜日から土曜日の午後11:00に実行します。データベースの各差分バックアップには、最後のフル・データベースのバックアップ(差分ベース)以降のすべての変更が含まれます。 |
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コピーのみバックアップ:要件として、定期的にスケジュールされたバックアップ・シーケンスを妨げることなくバックアップを作成する必要がある場合、コピーのみバックアップは適した戦略です。場合によっては、テスト環境の更新など、定期的なバックアップ・スケジュール以外にフル・バックアップを作成する必要があるでしょう。このプロセスでは、定期バックアップ・スケジュールが影響を受け、後続の差分バックアップが混乱する可能性があります。コピーのみバックアップを使用することにより、定期バックアップ・スケジュールに影響を与えることなく、いつでも不定期のフル・データベース・バックアップを実行することができます。 |
SQL Server®のシステム・データベースは、サーバー・インスタンスの操作に必要です。これらのバックアップにより、ハード・ディスクの損失などのシステム障害が発生した場合もSQL Serverをリカバリすることができます。
常にバックアップする必要のあるシステム・データベースとして、msdb、master、およびmodelがあります。masterおよびmsdbデータベースでは単純復旧モデル、modelデータベースでは完全復旧モデルを使用できます。レプリケートされたデータベースの場合も、ディストリビューション・データベースをバックアップする必要があります。
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master:masterデータベースはSQL Serverシステム用のシステム・レベル情報を記録しています。masterデータベースでは、フル・データベースのバックアップのみがサポートされます。Questは、masterのフル・データベース・バックアップを定期的にスケジュールすることをお勧めします。 |
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msdbおよびmodel:msdbデータベースは、SQL Serverがデータを格納するために使用します。SQL Serverでは、ユーザー・データベースの作成時に、modelデータベースをテンプレートとして使用します。modelおよびmsdbデータベースは、これらのデータベースが更新されるたびにバックアップしてください。modelおよびmsdbデータベースは、ユーザー・データベースをバックアップするのと同じ方法でバックアップできます。Questでは、modelデータベースについてはフル・バックアップのみを作成することをお勧めします。これは、このデータベースが小さく、変更頻度も低いため、ログをバックアップする必要がないからです。 |
詳しくは、SQL Server Books Onlineの「システム・データベースのバックアップと復元」を参照してください。
データベース・レプリケーションはSQL Server® 2005以降でサポートされています。Plug‑in for SQL Serverは、トランザクション・レプリケーション、マージ・レプリケーション、スナップショット・レプリケーションの3種類のタイプをすべてサポートします。
以下を含むレプリケートされたデータベースとそれに関連するシステム・データベースは、定期的にバックアップする必要があります。
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パブリッシャのパブリケーション・データベース |
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ディストリビュータのディストリビューション・データベース |
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サブスクライバのサブスクリプション・データベース |
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パブリッシャ、ディストリビュータ、およびすべてのサブスクライバのmasterおよびmsdbシステム・データベース。これらのデータベースは、相互および関連するレプリケートされたデータベースと同時にバックアップする必要があります。 |
詳しくは、SQL Server Books Onlineの「 スナップショット・レプリケーションおよびトランザクション・レプリケーションのバックアップと復元の方式」、「マージ・レプリケーションのバックアップと復元の方式」、および「一般にバックアップの更新が必要になるアクション」を参照してください。
バックアップを継続する前に、以下の情報を確認する必要があります。この情報は、本プラグインがサポートするすべてのSQL Server®バージョンに該当しますが、機能によってはご使用のSQL Serverバージョンでサポートされていない場合があります。
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[NetVault Backup低圧縮を使用]:この方法はデフォルトで選択されており、プロセッサ使用率を最低限に抑えつつ良好な圧縮を実行することができます。Questでは、圧縮する必要があるが処理の低減が最も重要な場合、このオプションを使用することをお勧めします。 |
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[NetVault Backup中圧縮を使用]:この方法を使用すると、良好な圧縮を実行することができますが、より高いプロセッサ使用率を必要とします。このため、Questでは、精度の高い圧縮が必要で、バックアップ実行中の高いプロセッサ使用率が問題とはならない場合に、このオプションを使用することをお勧めします。 |
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[NetVault Backup高圧縮を使用]:この方法を使用すると最適な圧縮を実行することができます。このため、Questでは、最適な圧縮が最も重要な要素であり、プロセッサ消費が問題とはならない場合にこのオプションを使用することをお勧めします。 |
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[SQL Serverインスタンス内で設定されたSQL Server圧縮を使用]:このオプションは、本プラグインがSQL Serverバックアップの圧縮機能をサポートするSQL Serverインスタンスへ接続している場合に限り利用可能です。このSQL Serverインスタンスに対してSQL Serverバックアップの圧縮機能が有効化されている場合は、本プラグインはこのインスタンスに対してSQL Serverバックアップの圧縮機能を有効化します。SQL Serverイスタンスが有効になっていない場合、本プラグインはSQL Serverバックアップ圧縮を使用しません。 |
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[SQL Server圧縮を使用]:このオプションは、本プラグインがSQL Serverバックアップの圧縮機能をサポートするSQL Serverインスタンスへ接続している場合に限り利用可能です。このオプションを指定することにより、バックアップ・メディア上に格納されたデータを、SQL ServerにSQL Serverバックアップ圧縮アルゴリズムを使用して圧縮するよう指示することができます。 |
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[圧縮を使用しない]:圧縮を無効にするにはこのオプションを選択します。 |
バックアップ・ジョブ実行後の圧縮比を表示するには、[ナビゲーション]パネルで[ジョブ・ステータス]をクリックして、完了したジョブを選択し、[ログ参照]をクリックします。表示されたログで、「圧縮率」で始まるメッセージを探します。追記情報を表示するには、行を選択して、[More Info]をクリックします。これにより、バックアップされた圧縮されていないデータの総バイト数、バックアップ・メディアに送信されたデータのバイト数、およびヘッダとして含まれる管理用バイト数を表示することができます。これらは圧縮データの統計情報の一部として利用されますが、実際の圧縮済みデータからは除外されます。圧縮率情報はログ内で以下のとおりレポートされます。[[(圧縮されていないデータ合計数) – (圧縮済みデータ合計数)] x 100%] / (圧縮されていないデータ合計数)このヘッダ・バイト数は、通常、バックアップ・サイズの一部としてはわずかです。ただし、小さなデータベースを複数のNetVault Backupストリームを使用してバックアップした場合は該当しません。
SQL Serverバックアップの圧縮機能を使用する場合、または圧縮を利用しない場合、[NetVault Backup圧縮が使用されていない場合のVDIストリーム]オプションが有効化されます。
NetVault Backup圧縮方法のいずれかを使用すると、[VDIストリーム/圧縮スレッド]と[パラレルNetVault Backup ストリーム数]が有効になります。VDIスレッドでは圧縮を実行します。バックアップ中に各VDIスレッドまたは接続がSQL Serverからデータを受信すると、圧縮した後、NetVault Backupストリームを使用して出力デバイスへ書き込みます。高レベルでの圧縮ではより多くのプロセッサを消費するため、NetVault Backupクライアントを実行中のシステム上(つまり、バックアップ対象のSQL Serverインスタンスを実行中のシステム)で利用可能なプロセッサ数を効果的に使用することを検討してください。たとえば、VDIスレッド数には、システム上のプロセッサ数よりもわずかに少ない数を指定します。ただし、バックアップ・ストリーム数は出力デバイス数を超えてはなりません。このため、VDIストリーム数([VDIストリーム/圧縮スレッド])およびNetVault Backupスレッド数([パラレルNetVault Backupストリーム数])を別々に指定する必要があります。[SQL Serverバックアップ・オプション]タブにアクセスすると、VDIストリームの当初の数には、NetVault Backupクライアント上で検出されるプロセッサ数よりも1つだけ小さな値が表示されます。このフィールドに指定された値により、バックアップ・ジョブの保存に使用するVDIデバイス数が決定されます。デフォルトでは、[仮想デバイスインターフェイス(VDI)を使用する]を選択すると、すべてのバックアップ・ジョブ・オプションにVDIデバイスが1つ設定されますが、追加のVDIデバイスを設定できます。ただし、VDIデバイスの最小数は1個で、追加可能なVDIデバイスの最大数は64個までです。
[VDIバックアップ・オプション]セクションの下方で、本プラグインはNetVault Backupクライアント上のプロセッサ数を表示します。プロセッサがハイパースレッディング(HT)を使用する場合、これがプロセッサ数に反映され、4つの物理プロセッサを持つシステムでHTが有効になっている場合は、8つのプロセッサを持つシステムとして識別されます。NetVault Backup圧縮を使用する場合は、VDIストリーム数を選択する際にこの数を使用することができます。
NetVault Backup圧縮を使用した場合のオプションのバックアップ回数については、バックアップ・メディア数について[パラレルNetVault Backupストリーム数]に関するエントリを基に指定します。メディアにストライプ・ディスクを使用すると、ストライプ数に設定されたバックアップ・ストリーム数が使用されます。これにより、最も高速なバックアップが実行されます。異なるハードディスク上の各NetVault Backup出力デバイスを使用して、ストライプ化に対応していない異なるハードディスクにバックアップを書き込む場合は、バックアップ・ストリーム数をハードディスク数に設定します。ストライプ化に対応していないシングル・ディスク上の1つ以上のVTLへバックアップを実行する場合は、1つまたは2つのNetVault Backupストリームのみを使用します。複数のテープ・ドライブを使用してテープ・ライブラリへバックアップする場合は、配置されているテープ・ドライブ数以下のバックアップ・ストリームを使用しますが、できればテープ・ドライブより少なくします。
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