Domain Rewrite の構成時に次のエラーが発生することがあります:
Unable to prepare user@domain.com, a cloud source and/or on-premises target environment could not be found in Directory Sync and is required to enable rewrite on a matched on-premises mailbox.
このエラーの原因は、 次のような Domain Rewrite の準備に必要な環境構成が揃っていないか、または対象オブジェクトの属性情報に不整合があるため処理を続行できない状態が考えられます。
原因 1: Directory Sync エージェント が必要
Domain Rewrite 対象オブジェクトのスコープ範囲内に ODM の Directory Sync エージェント が存在している必要があります。Directory Sync エージェント は移行元環境または移行先環境のいずれかまたは双方に、連絡先やメール対応ユーザーなどの Domain Rewrite 対象オブジェクトが存在する範囲内に必要で、存在しない場合に当該エラーが発生します。
原因 2: 何かしらの理由で対象オブジェクトの属性管理が誤っている
サードパーティ製品などで Domain Rewrite 対象オブジェクトの属性情報を誤って書き換えたため、当該エラーが発生しています。
例えば、エラーのアドレスがクラウド専用 (cloud-only) のユーザー オブジェクトにも関わらず、オンプレミスがマスターであるように関連する属性が書き換えられた場合が該当します。
原因 3: 環境がバックエンドと同期されていない
Domain Rewrite の対象環境が ODM のバックエンドと同期していない場合にこのエラーが発生します。
原因 4: ハイブリッド環境のオブジェクトで AD の属性が優先されている
Domain Rewrite の対象となるユーザーが Microsoft Entra Connect でハイブリッド環境のオブジェクトとしてローカルの Active Directory と同期されており、ODM が要求するクラウド専用ユーザーとしての管理状態と一致していないためにエラーが発生します。
Microsoft Entra Connect によりオンプレミス AD の属性が優先されている場合、Domain Rewrite の準備処理でクラウド側の情報が正しく参照できず、エラーが発生することがあります。
対処法 1: Directory Sync エージェントのインストール
ODM の Directory Sync agent を移行元ならびに移行先の Active Directory 環境にインストールします。
対処法 2: 属性の修正
エラー対象のオブジェクトがオンプレミスでマスタリングされていないように属性値を調整します。
この調整対象は msExchRecipientTypeDetails や msExchRemoteRecipientType などの属性が考えられますが、具体的な対象と調整方法は管理者ならびに Microsoft 社のサポートにご相談ください。
対処法 3: 対象環境への再接続
ODM に登録されている環境情報が最新の状態と一致していない可能性があるため、移行対象環境の再接続を行い、ODM のバックエンドデータベースと最新のテナント情報を再同期します。
再接続操作により、Entra ID や Exchange Online、 Directory Sync Agent の構成情報が ODM 側で再読み込みされ、環境情報の不整合によって発生していたエラーが解消される場合があります。
対処法 4: 一時的な クラウド専用 ID 化による属性の再認識
まず、Directory Sync を Disable にします。その後、対象ユーザーを一時的に クラウド専用 ID ユーザーに切り替えてから、 Domain Rewrite の Discovery と Enable を実行した後で、ユーザーを再びハイブリッドに戻したうえで Directory Sync を Enable にします。
この手順により、ODM が保持する属性情報が正しいクラウド状態として再認識され、Directory Sync と ODM との間の管理状態の不整合が解消されます。