ERROR: "Unable to open target mail store" - Office 365 - メールボックスへの権限付与 の伝搬遅延 (4350332)

この状況では、ユーザーのメールボックスにアクセスするために必要な移行アカウントの権限が有効なる前に移行が行われ、MNE が移行先メールボックスを開けないというエラーで失敗する現象が発生します。

この状況では、ユーザーのメールボックスにアクセスするために必要な移行アカウントの権限が有効なる前に移行が行われ、MNE が移行先メールボックスを開けないというエラーで失敗する現象が発生します。

MNE バージョン 4.9.0.4 以降のバージョンではこの状況に対応するパラメーターが追加されました。

管理者は、MNE がOffice 365 移行アカウント(もしくは Admin Pool アカウント)に必要な権限を、移行を実施するときに付与した後、その後の処理を実施する前に待機する時間を設定できます。

このパラメーターは Global Defaults または Task Parameters で指定でき、秒単位で設定できます。

[PowerShell]

 PropagationDelay=

例えば、既定値である PropagationDelay=40 は、権限設定後、次の処理に進む前に 40 秒待機します。

これにより、Office 365 Powershell による権限設定の伝搬遅延に対応できます。

※[Powershell] セクションがない場合は追加します。

ほとんどの場合、この値は 6 分に設定いただければ問題ございません。

[PowerShell]

 PropagationDelay=360

しかし、環境によって、これを 15分(900) から 30分(1800)にする必要がある場合がございます。

[PowerShell]

 PropagationDelay=900

※Office 365 は動的な環境であり、遅延はその時々の負荷で変化します。

お客様の環境において Powershell による権限付与が Office 365 全体で有効になるまでの伝搬遅延時間につきましては、

Microsoft 社にお問い合わせ頂くことをお勧めします。

※下記の手順で、PropergationDelay の参考値を得ることができます。

お客様の環境/テナントにおいて、適切な PropagationDelay 値の決定を補助するため、MNE の Exchange Settings 画面で

指定したアカウントについて、Outlook プロファイルを作成しキャッシュモードを無効にします。

そして、このアカウントにPowerShellを使用してOffice 365の内の別のユーザーのメールボックスへのフルアクセスを許可します。

その後、Outlook 上で、別のユーザーのメールボックスをエラー無しで開き、フォルダーを確認できるようになるまでの時間を計ります。

これにより、PropagationDelay に設定する値のベースラインを決定できます。実際に設定する値には、この時間に2分ほど追加した

時間を設定することをお勧めします。

以下、このテストで権限付与を行うためのコマンド例です。

$Credential = Get-Credential

$Session = New-PSSession -Credential $Credential -AllowRedirection -ConnectionUri https://ps.outlook.com/PowerShell -Authentication Basic -ConfigurationName Microsoft.Exchange

Import-PSSession $Session
Add-MailboxPermission -Identity (対象メールボックスユーザー) -User (移行管理者アカウント) -AccessRights FullAccess -InheritanceType All